UPDATE Microsoftは米国時間7月16日、ユーザーアカウントデータに関する米政府からの要請に対して同社がどのように対応しているかの詳細について、公表を許可してほしいとObama米政権に求めた。
Microsoftのゼネラルカウンセルを務めるBrad Smith氏は16日午後、Eric Holder米司法長官宛ての書簡で、企業に自社の対応に関して「さらなる情報を共有」しないよう要求することに「もはや政府にとってのやむを得ない事情はない」と強い表現で記した。この情報が、令状なしでの監視に対する「一般市民の懸念の緩和」に役立つ可能性が高い場合は、特にそうであると同書簡には記されている。
同書簡は、The Guardianの11日の報道を受けての対応であると思われる。The Guardianは、Edward Snowden氏が提供した米国家安全保障局(NSA)の内部文書に基づき、米政府が「Skype」の通話と「Outlook.com」の暗号化メッセージを傍受できる状態になっていることを報じた。2008年には、当時eBay傘下にあったSkypeが米CNETに対し、通信傍受に関する裁判所命令に「応じることはできない」と述べていたが、この報道は当時の主張とは相反する。
Smith氏はHolder司法長官に宛てた書簡の中で、現行の秘密主義によって「米憲法自体が打撃を受けている」と述べ、「これを正すには、あなたまたは大統領の個人的な関与が必要である」と付け加えた。Smith氏によると、Microsoftは先週、自社の潔白を示すためにさらなる情報を公表することを許可してほしいと求めたが、米司法省がその要求を「却下した」という。
Microsoftは、Smith氏による16日の別のブログ投稿で、「当社はどの政府機関に対しても、(Outlook.comの)暗号化を解読する機能や、暗号化キーを提供していない。要請に応じることが法的に義務付けられている場合は、指定されたコンテンツを非暗号化状態で格納されている当社サーバから取り出し、それを政府機関に提供している」と述べた。
米国の法律や他国の類似の法律の下、企業は一部の状況において、機密ユーザーデータを提出しなければならない場合がある。米国では、FBIなどの法執行機関が犯罪捜査のために取得する裁判所命令と、テロや防諜活動の捜査を対象とする別の手続きを介した外国諜報活動偵察法(FISA)に基づく命令によって、このような要請が発生する(PRISMは、FISA命令によって収集されたデータを照合するためのNSAのソフトウェアユーティリティである)。
MicrosoftのSkype通話に関するブログ投稿には、「当社は、顧客データまたは暗号化キーに対する直接的または無制限のアクセスを政府機関に提供することはない」とも記されている。同社は、「特定のアカウントやID」を対象とする命令にのみ応じ、「Microsoftの顧客データに対する包括的または無差別のアクセス」を提供することは決してないと述べ、サーバに対する直接アクセスを提供しているとする一部の主張を否定した。また同社は、スーパーノードを社内でホスティングするという、2012年に同社がSkypeに加えた変更によって、同サービスは傍受可能になったかもしれないが、これを実施したのは技術的理由からであり、監視を可能にするためではなかったと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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