米Yahooは、議論を呼んでいる米国家安全保障局(NSA)のデータ収集プログラム「PRISM」との関わりを避けようと、そうした自社の取り組みの内容を一般に公開できるよう申し立てを行っていたが、このほど米国の秘密裁判所からその主張が認められた。
米外国情報監視裁判所(The U.S. Foreign Intelligence Surveillance Court)は米国時間7月15日、米司法省に対し、機密扱いとなっている2008年の訴訟に関連する文書の公開を命じる判決を下した。Yahooによると、この文書は、同社が顧客データを米政府に提供することに「強く反対した」ことが具体的に示されているという。
判決文には、次のように記されている。「政府は(Yahooの訴訟)に関する裁判所による今回の略式判決、および両当事者が当裁判所に提出した準備書面について機密解除に関する検討を実施しなければならない。かかる検討を受け、当裁判所は、適正な機密情報を編集した形で略式判決の内容を公開する予定である」
今回の裁定についてはDaily Dotが最初に言及していた。裁定では、検討プロセスにどの程度の期間が見込まれるかについて、司法省が判断を提示するのに2週間の猶予が与えられている。
Yahooは同裁判所の裁定に「満足している」と、同社の広報担当者は述べた。
2008年の訴訟は、外国諜報活動偵察法(FISA)のもとで行われたために、多数の修正が加えられた裁判所命令以上に議論の詳細が公開されることはなく、また、Yahooが同訴訟への関与を明らかにすることさえ認められていなかった。15日に下された命令は、Yahooが5年前に政府命令の見直しを求めて最初に申し立てを行った裁判所と同じ裁判所によるもので、この申し立ては、合衆国憲法修正第4条において不合理な捜索および押収から保障されているユーザーの権利を侵害しているという懸念をめぐり、政府命令の見直しを求めるものだった。
同裁判所は当時、Yahooが抱いている懸念が「誇張されたもの」であり、「偶発的に収集された追跡対象外の米国人の通信記録は、合衆国憲法修正第4条に違反しない」との判断を示していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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