モバイルマルウェアの作成者とスマートフォンメーカーは、ソフトウェアの競争において互角に戦っているように思える。しかし新たなデータによって、マルウェア作成者がリードしている可能性が示された。
Juniper Networksは米国時間6月25日に、3回目となる年次の「Mobile Threats Report」を発表したが、その調査結果は好ましいものではない。モバイルマルウェアは、2012年3月から2013年3月にかけて614%増加した。これは、27万6259件の悪意のあるアプリが世の中に出回っているということだ。その前の1年間の増加率はほんの155%だった。
このレポートは、主要モバイルOSを対象として行った、185万件以上のモバイルアプリと脆弱性の分析に基づいている。
Juniper Networksは、OSの悪用が広まる中、サイバー犯罪者がより企業家的に、抜け目なく、そして計画的になってきているのは明らかだとしている。サイバー犯罪者たちは、すべてのシステムに侵入しようとするのではなく、最も人気のあるOS、つまり「Android」を狙うことが多くなっている。
アナリスト企業のCanalysによれば、Androidはスマートフォンの世界市場シェアの60%近くを占めているという。一方、Appleのシェアは19%強、Microsoftは18%だ。Juniper Networksによれば、検出されたすべてのモバイルマルウェアの92%は、Androidを明確にターゲットとしているという。
Androidユーザーの大多数は自分の端末を最新バージョンにアップデートしていない。これが、サイバー犯罪者がこのOSを好むもう1つの理由となっている。Juniper Networksによれば、6月の時点で、最新OSを利用しているAndroidユーザーはわずか4%だという。ユーザーが「Ice Cream Sandwich」や「Gingerbread」のような古いバージョンを使い続けていれば、Googleから提供される新しいセキュリティアップデートの機会を逃してしまう。
しかしこれは、ほかのOSには脆弱性がないということではない。Juniper Networksは、Appleの「iOS」を含む、すべてのOSが悪用される可能性があると警告している。
Juniper Networksのレポートには次のように書かれている。「理論上のiOSの悪用や、iOSの『App Store』に悪質なアプリを侵入させる方法は、既に実証されている。しかしサイバー犯罪者たちは全般的にApple製品を避け、GoogleのAndroidが提供する、より好都合な環境を選んでいる。これは、iOSがAndroidよりもセキュリティ上優れているという意味ではない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」