NTTdocomoのツートップ戦略により、Xperia AとGalaxy S4以外の端末は、埋もれがちになっている。しかし、その中でも気を吐いているのがシャープのAQUOS PHONEだ。特にAQUOS PHONE ZETA SH-06Eは、ツートップと比べても機能や性能に関しては見劣りするところはなく、指名買いされる程の人気を誇っている。
そこで今回は、NTTdocomoの夏モデルにおいて、AQUOS PHONE・AQUOS PADの魅力や強化ポイントをシャープの技術者に聞いた。
IGZOを搭載し、4.8インチの液晶サイズながらフルHDを実現したAQUOS PHONE ZETA SH-06E。シャープ史上最高峰の性能を誇るだけでなく、ツートップモデルに対抗し得るだけのポテンシャルを持っている。
IGZOの超高精細ディスプレイはフルHDを実現する高精細だけでなく、電力消費量を激減するスーパー液晶だ。通常の液晶では、HDからフルHDに解像度がアップするだけで、約2.25倍の画素数になり、それに応じた電力がかかる。それに対してIGZOは静止画表示時には、画面の更新頻度を落とすことで省エネを実現する。
「自動車で言うところのアイドリングストップのようなイメージだと考えてください。走っている時は普通に表示されますが、止まっている時はアイドリングを止めることで、余計なガソリンを使わないように、IGZOも電力を極力使わないようにしているのです」と通信システム事業本部パーソナル通信第一事業部 商品企画部 主事の三枝卓矢氏は語る。ちなみに、ツートップの一角はフルHDの解像度を持っていない。
2600mAhの大容量バッテリとIGZOの低消費電力で2日間以上の稼働ができると言う。音楽プレーヤーとして使った場合は、75時間の再生ができるのだ。
「カメラ機能もトップクラスの性能だと自負しています。とくにF値1.9の明るいレンズと光学式手ブレ補正により、シャッター速度換算で言うと4段階分速くしたのと同じくらいの補正能力を持っています。」(小林氏)。
つまり、暗めの場所でも手ブレが起きにくいシャッター速度で撮れるうえ、万が一手ブレが起きてしまう状況でも、光学式手ブレ補正がフォローをし、失敗写真を激減すると言うのだ。画素数的には、前モデルのAQUOS PHONE ZETA SH-02Eが1600万画素だったのに対して、今回は1310万画素と数値が下がっているように見えるが、レンズや新しい機能とのバランスを考えての数値となっているので、画質自体は大幅に向上している。
スマートフォンの高機能、高画質化の弊害として端末の大型化が挙げられる。携帯電話時代はいかに小型化するかが命題であった時代もあり、今でも小型モデルのニーズは高い。
AQUOS PHONE si SH-07Eは、小型モデルを求めるユーザーにとって最適の一台と言える。「幅59mmでありながら挟額縁のフレームを採用したことで、4.3インチの大型液晶を搭載しています。さらにホームボタンや戻るボタンなどを画面外に配置しているので、画面内にあるモデルと比べ、より大画面に見えます」(通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部の林里奈氏)。
AQUOS PHONE ZETA SH-06Eがハイエンドモデルだとすると、AQUOS PHONE si SH-07Eはエントリもしくは汎用モデルと言うことになるのだが、AQUOS PHONE ZETA SH-06Eとほぼ同等の性能も持っている。プロセッサはAQUOS PHONE ZETA SH-06Eと同じクアッドコアのCPUを使っており、カメラもF値1.9の明るいレンズを採用。本体サイズからバッテリ容量は2100mAhと少なくなっているが、実使用で2日以上持ち、音楽再生は63時間と容量以上の差はない。
AQUOS PHONE si SH-07EはフルHDではなくHD画質だが、画面サイズからAQUOS PHONE ZETA SH-06Eと比較しても精細感が落ちた印象はなく、解像感は高い。AQUOS PHONE ZETA SH-06Eを選ぶかAQUOS PHONE si SH-07Eを選ぶかはもはやデザインの好みにゆだねても良いくらいのレベルだ。
NTTdocomoおける夏のタブレットはAQUOS PAD SH-08Eのみのリリースになる。言わばワントップ状態。もちろん、他に選択肢がないので、AQUOS PAD SH-08Eを選ぶしかないと言うものではなく、他にライバル機があったとしても、AQUOS PAD SH-08Eを選びたい機能を持っている。
AQUOS PAD SH-08Eは、フルセグでの地上デジタル放送が楽しめる。WUXGAのIGZOパネルを使用しており、7インチサイズながら、高精細な映像を再現する。内蔵アンテナの感度も良く、電波の入りにくい鉄筋のビルの内部であってもしっかりと電波を受信し、映像の乱れもまったく起きなかった。
もうひとつの魅力として挙げられるのが、手書きでの文字入力だ。シャープは手書き電子ノート端末を発売するなど、手書き入力には一日の長があり、そのノウハウがAQUOS PAD SH-08Eにも受け継がれている。文字入力には適さない静電式のタッチパネルでありながら、感圧式で使うほどの極細のスタイラスが使用でき、細かい文字を書くことができる。
「静電式でありながら、これだけ細かい文字が書けるのは、ノイズの低いIGZOを使用していると言うのが大きいですね。また、液晶を生産しているメーカーとして、設計からの調整ができるのも強みです。タッチの感度を上げてしまうと、どうしてもノイズが出やすくなってしまいますが、当社が誇るスーパーエンジニアによる微調整で、最適な状態で仕上げています」(通信システム事業本部 パーソナル通信第一事業部 商品企画部の丸山晋由氏)。
ロック画面でもメモを書ける機能を搭載。瞬時に書けてこそのメモなので、いちいちロックを解除し、アプリが起動するのを待っているほどの余裕はない。実際のメモと同等以上の使いやすさが手書き入力の利便性を高めていると言うわけだ。
ドコモタブレットの防水モデルとしても最軽量であり、使い勝手の良さにも力をいれている。回線はクロッシィとFOMA ハイスピードに対応。無料通話アプリではなく、デフォルトの状態で音声通話もできるので、AQUOS PAD SH-08E単体持ちでも十分に事が足りる。さすがに通話メインにするには大きすぎる感もあるので、フィーチャーフォンとの組合せが最適だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」