シャープは5月23日、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの携帯3キャリアから発売予定の2013年夏モデル7機種を発表した。高精細かつ省電力の「IGZO(イグゾー)」液晶を搭載したスマートフォンのラインアップを充実させることで、シェアの挽回を図る。
MM総研の調査によれば、2012年度のシャープの国内携帯電話出荷シェアは14%で、2年連続での3位にとどまった。ただし、下期は約2日間の長時間使用が可能なIGZO搭載スマートフォンを投入したことでシェアが拡大している。たとえば、NTTドコモ冬モデルの「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」は、発売から5カ月で約60万台を販売。GfK Japanが発表した家電量販店の販売ランキングでも8週連続で1位を獲得するなど好調だ。
そこで、2013年度はシェアの挽回に向けて、IGZO液晶を搭載したスマートフォンをこれまで以上に投入していく。各メーカーともにハードスペックでの差別化は難しくなってきていることから、“使いたくなる”“見せたくなる”“自慢したくなる”といった、ユーザーの感覚に訴えかけるスマートフォンの開発を目指すという。
そのためにシャープが重点を置くのが、IGZO液晶やカメラなどの「先進的デバイス」、狭額縁化や新素材などの「革新デザイン」、ユーザーインターフェースや機器連携などの「新しい体験」の3つだ。こういった点を重視し、2013年度の上期はフルHDや約3日間の長時間使用に対応したIGZO搭載スマートフォンを開発したほか、業界初のフルセグ対応スマートフォンも商品化した。
シャープ常務執行役員の長谷川祥典氏は、2013年度に開発する端末のうちIGZO搭載機種が占める割合は6割程度になる見通しだと説明。2014年度はすべての端末にIGZOを搭載することで「電池持ちナンバーワンのブランドを構築する」と意気込んだ。
なお、NTTドコモでは夏モデルのうち「GALAXY S4 SC-04E」(サムスン製)と「Xperia A SO-04E」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)の2機種をツートップと位置づけ、他の端末よりも積極的に販売していく方針を打ち出している。この方針については「キャリアの戦略なので我々がコメントする立場ではないが、ドコモにはタブレットも含め3モデルを採用していただいており、ユーザーの選択肢も増えている。ニーズのあるものをどんどん商品化することで市場の期待に応えたい」(長谷川氏)とした。
シャープが開発した夏モデルは、NTTドコモが約4.8インチのフルHD IGZO液晶を搭載したスマートフォン「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」(5月24日発売)、片手で持てるコンパクトスマートフォン「AQUOS PHONE si SH-07E」(6月発売)、フルセグも楽しめる7インチタブレット「AQUOS PAD SH-08E」(7月下旬発売)の3機種。
ソフトバンクモバイルが約5インチのフルHD液晶とフルセグ搭載のスマートフォン「AQUOS PHONE Xx 206SH」(6月下旬発売)、コンパクトサイズのスマートフォン「AQUOS PHONE ss 205SH」(6月中旬発売)、シニア層向けのスマートフォン「シンプルスマホ 204SH」(5月10日発売)の3機種。KDDIがIGZO液晶と大容量バッテリで最長3日間使用できるスマートフォン「AQUOS PHONE SERIE SHL22」(7月下旬発売)の1機種となる。
夏モデルでは、新開発した「FEEL artist」エンジンによって、静止画表示時の省電力化を実現。人間の知覚と似た「HSV色空間」に対応したことで、より自然な色合いを表現する。また、カメラにはF値1.9の従来より1.6倍明るいレンズを採用したほか、手ブレ補正機能なども進化した。さらに新開発したUIリアリティ技術によって、より直感的な操作を可能にしているという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス