NVIDIAは米国時間6月18日、デバイスメーカーに対し、同社のGPUコアおよび「ビジュアルコンピューティング」関連特許ポートフォリオのライセンス提供を開始することを明らかにした。同社にとって新たなビジネスモデルだ。同社は、同技術が携帯電話からスーパーコンピュータにいたる幅広い製品に利用される可能性があるとしている。設計およびテスト要件を考慮すると、こうした製品はおそらく2015年に登場するようだ。
NVIDIAのエグゼクティブバイスプレジデント兼ゼネラルカウンセルを務めるDavid Shannon氏はブログ投稿で次のように述べている。「拡大し続ける市場のあらゆる部分に対応できるようチップやシステムを開発するのは現実的ではない。新たな経営手法の採用によって、われわれは多種多様な機器の世界に対処できるようになる」
今回の動きは、NVIDIAの中核をなすPC市場での低迷に取り組み、モバイル端末での厳しい競争に直面する中で発表された。スマートフォンとタブレットの人気とともに、PCに搭載される統合グラフィックスの向上は、NVIDIAが設計するハイエンドグラフィックスに対する長期的な見通しに痛手となっている。同時に、NVIDIAはモバイル分野で期待していたほどの勢いを得ておらず、「Tegra」プロセッサに4G LTE機能がこれまで搭載されていなかったことがその主な理由となっている。
NVIDIAは過去に自社のグラフィックス技術の一部をライセンス供与しているが、同社にとって大きな焦点になったり、広範な企業に機会が開かれることはなかった。ソニーは「PlayStation 3」においてNVIDIAのGPU技術をライセンス取得しており、IntelはNVIDIAのさまざまな特許を使用するにあたり、年間2億5000万ドルを超えるライセンス料を同社に支払っている。
18日に発表された計画は、NVIDIAが市場のより大きな分野に対応することを可能にするとともに、自らをARM HoldingsやImagination Technologiesと競合できる地位に置くものだ。これらの企業は、チップを製造しないが、自社の技術を他の企業にライセンス供与している。NVIDIAの高度なグラフィックス技術は長い間、同社製チップの大きなセールスポイントとなっている。Appleやサムスンといった、自社製プロセッサを製造する他の企業がNVIDIAのグラフィックスを求める可能性があると考えるのは大げさではない。
NVIDIAによると、最初に同社の「Kepler」アーキテクチャをベースとしたGPUコアのライセンス提供を開始する予定だという。同技術は現在、PC向けGPU「GeForce」、ワークステーション向けグラフィックス「Quadro」、スーパーコンピューティング向けGPU「Tesla」に使用されている。同社の次世代モバイルプロセッサ「Tegra」(開発コード名:「Logan」)にもKeplerが使用されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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