Twitterに投稿されたツイートをユーザーが自由にまとめられるCGMサイト「Togetter」。誰でも簡単にまとめられる手軽さと、投稿されるまとめのジャンルの幅広さが人気を博し、2009年9月の公開から約3年半で月間ページビュー(PV)は3000万、ユニークユーザー(UU)は約700万へと成長している。
このTogetterの生みの親である吉田俊明氏が、3月に新たなメディアを立ち上げた。その名は「トゥギャッチ」。Twitterでの情報をベースにしているところはTogetterと同じだが、トゥギャッチはユーザーではなく、プロのライターがTwitter上の出来事を記事の型式で紹介するメディアサイトとなっている。
Togetterでは1日に500以上のまとめが作られており、作成したまとめをきっかけに一躍有名になったユーザーも増えている。たとえば、あるユーザーが陣痛から出産までをTwitterで実況したところ、この様子がまとめられ、それを見た多くの妊婦が「陣痛なう」というハッシュタグをつけてツイートするようになり話題となった。最初に実況ツイートをしたユーザーはカリスマ主婦と呼ばれるようになり、このまとめを使った書籍も出版された。「Togetterがきっかけで人生が変わった人もいる」(吉田氏)。
ただし、Togetterはあくまでもユーザーに作成を委ねるため、あるテーマについてTwitterで盛り上がっていても、それをユーザーがまとめてくれなければコンテンツとして発信できない歯痒さがあった。また「Togetterには読み物として情報を発信するニュースメディアの要素が弱かった」(吉田氏)ことから、これらを補完する目的でトゥギャッチを立ち上げたという。
トゥギャッチでは、画像を中心にTwitterで話題になっている出来事や、Togetterのまとめをベースにした記事を配信している。Togetterでは複数のツイートによるコラムのようなまとめや、時事情報について議論したまとめなど、いわゆる“真面目”なコンテンツも多いが、トウギャッチは面白画像やネタツイートなど、ライト層をターゲットにした“暇つぶし”記事を中心に構成しているという。
Togetterと同様にTwitterとの連携を極端に高めているのも特徴だ。サイト上にはTwitterアカウントでログインしているユーザーのアイコンや、記事への新規コメントが一覧表示されている。また、あるお題に対してツイートしてもらい、最もお気に入り登録された投稿者に商品を贈るユーザー参加型の企画なども展開している。「Twitterの面白い話題はトゥギャッチにあるからとりあえずチェックしておこうと思われるようにしたい」(吉田氏)。
記事の執筆は編集プロダクションの「ノオト」に依頼しており、1日の掲載本数は5本前後。また全体の1~2割だがライター独自の記事なども掲載しているという。サービス開始から約3カ月で月間PVは100万を超えており「当初の想定よりも好調」と吉田氏は語る。ただし、1日に掲載できる本数が限られているため、目標は2013年度末で月間500万PVに設定している。
「Togetterで目指しているのはTwitterで起きているすべてのことをとらえること。そのためにもっとユーザーにまとめを作ってもらえる体制を整えたい。トゥギャッチもその施作の1つなので、今後は連携を高めつつ、TwitterやTogetterで起きていることを発信していきたい」(吉田氏)。
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