グーグルの盲目プログラマーが未来を語る--アクセシビリティで生活を便利に

 グーグルは6月13日、身体が不自由であるなど、あらゆる条件の人が同社の製品やサービスを使えるようにする“アクセシビティ”に関する説明会を開催した。同日は米グーグルでアクセシビリティの改善を担当する目が不自由なプログラマー T.Vラマーン氏が来日し、アクセシビリティに対するグーグルの考え方や、テクノロジの未来について語った。

  • T.Vラマーン氏

 ラマーン氏は、博士課程でコンピュータサイエンスを学んでいた際に、テキストや画像に限らず、音や振動などさまざまな方法で情報を伝えられることに気づきアクセシビティに興味を持ったのだという。2005年にグーグルに入社してからは、各サービスの開発チームと協力しながら、身体の条件に関係なく利用できるようにする取り組みを続けてきた。

 アクセシビティというと、障害のある人や高齢者だけのための技術と思われがちだが、そうした人々に向けた機能は「ほんの数年で一般の人の生活を便利にする機能となる」とラマーン氏は語る。たとえば、2008年に目が不自由な人のために開発された音声ガイド機能は、現在スクリーンを見られない車の運転時などに音声ナビゲーションとして広く活用されている。

目が不自由であるがゆえに“アーリーアダプター”になった

 ラマーン氏は、カメラが「目」の役割を、スピーカーは「耳」を、マイクが「口」の役割を果たすスマートフォンは、最初からアクセシビティの概念が含まれたデバイスであり、人々の生活を大きく変えたと語る。Androidは同社のAPIを使って、文字を拡大表示する、コントラストを明るくするといった、個々のニーズに合った機能を拡張できるのも特長だ。

 同日は、実際にスマートフォンを操作するデモも披露された。ラマーン氏のAndroidスマートフォンには、タップした情報を音声で読み上げる機能「TalkBack」(日本語は未対応)が搭載されており、ニュースや天気予報といった情報にスムーズにアクセスしていた。地図機能を使えば、現在地や目的地の情報もすばやく取得できる。

 また、今回の来日にあたっては、日本から必要な情報を「Google Docs」で受け取り、会議の内容などを事前に把握。空港からホテルに向かう際には、「Google Now」によってスマートフォンの画面上に表示されたホテル名をタクシーの運転手に提示したのだという。この機能は目が不自由な人だけでなく、日本語が話せない旅行者にも役立てることができる。

 ラマーン氏は「目の見える人は最近やっと電子書籍を読むようになったが、私は1990年代からオンライン上で新聞を読んでいた。当時はオンラインの情報はまだ少なかったが、目の見えない私が唯一読める方法はエレクトロニック(電子音声)バージョンだった」と語り、目が不自由であるがゆえに、テクノロジをいち早く活用する“アーリーアダプター”であったと説明する。

 また、「Google Glass」を始めとするウェアラブルデバイスについても言及。「スマートフォンが目や耳の代わりとなると話したが、(ウェアラブルデバイスによって)ここ5年くらいで、目となるものは目の場所に、耳となるものは耳の場所につくようになるだろう」と語り、スマートフォンと同等のインパクトを世界に与える存在になるとの見方を示した。

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