2年前に「Windows Phone」への転向を明らかにしたフィンランドの携帯端末メーカーNokiaが、同社から最後となる「Symbian」スマートフォンを2013年夏に出荷する予定だ。これにより、つい最近まで「Android」と「iOS」を制していた同プラットフォームに静かにピリオドが打たれる。
Financial Timesによると、Nokiaは最後のSymbian搭載端末の出荷を記念する発表は行わない意向だという。その理由の1つとして、一部市場において、まだ販売すべき在庫が残っていることが挙げられている。
NokiaのWindows Phoneへの転向は2011年に始まり、それ以来ずっと、Symbianスマートフォンの出荷台数は先細りしながらも、かなりの数を占め続けていた。
2010年第1四半期には、Symbianの支配力は低下したが、2400万台という出荷台数は(第2位のRIMの19%をはるかに上回る)44%もの圧倒的なシェアを占めた。もちろん、当時の四半期ごとの出荷台数がおよそ5000万台という数字は、成長著しい現在のスマートフォン市場ではほんの一部だ。
Symbianの開発は、2012年までにAccentureに移管されており、Nokiaの注目は再構築とWindows Phoneへと向けられた。NokiaはSymbianのマーケティング予算も削減した。
IDCによると、Nokiaは2013年第1四半期、世界全体で120万台のSymbianスマートフォンを出荷したという。これは、世界の総出荷台数2億1600万台の0.6%に相当し、4分の3はAndroidが占めたという。
Nokiaが手掛けた最新のSymbianスマートフォンは、2012年半ばに発売された41メガピクセルカメラを搭載する「Nokia 808 PureView」だ。しかし、同製品は支持者には受け入れられたものの、見捨てられたOSと価格の高さが災いし、幅広い通信事業者の支持を確保するには至らなかった。
しかし、この製品は無駄に作られたものではなかった。Nokiaの広報担当者が米ZDNetに語ったところによると、Nokia 808 PureViewはSymbianを搭載した最後の端末として「ふさわしい製品」だという。「このスマートフォンは、これまで先駆け的な存在であったSymbianプラットフォームを延命させ、『Lumia 925』といった、現在の当社の最新モデルに見受けられる新たな革新へとつながる橋渡しの役割を果たした」(Nokiaの広報担当者)
SymbianはNokiaと同義語といえるが、かつてそれは、今日のAndroidのようなオープンプラットフォームとして、2000年に発売された「Ericsson R380」を支えていた。同製品は、大型のスクリーンを備え、データを中心に据えた最初のスマートフォンといって間違いない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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