「ラブライブ!」って何?--スマホゲーム「スクールアイドルフェスティバル」独断偏見インプレッション

 ブシロードのスマートフォン用ゲームサービス「ブシモ」向けとして配信されているゲームアプリ「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」。テレビアニメをはじめ多方面に展開しているスクールアイドルプロジェクト「ラブライブ!」をテーマとしたゲームだ。

 開発はKLabが担当していることや、iOS版の4月15日配信以降、国内App Storeのセールスランキングでは最高2位を記録したこともあり、リリース直後はアニメやゲーム関連以外のメディアでも名前が取り上げられた。またキャラクターIPを活用したタイトルは、勢いが初動のみという見方をされているなかで、本作では現在でもセールスランキングの上位を維持し続けている。Android版も6月6日より配信開始となった。

音楽にあわせてタッチしていくリズムアクションが主軸

 本作のジャンルはリズムアクション&アドベンチャーゲーム。メインは俗に“音ゲー”と呼ばれる、音楽にあわせてタッチしていくリズムアクションの「ライブパート」に、ソーシャルゲームのカードバトルにイメージされるカード収集と育成要素を盛り込んだシステムとなっている。さらに物語が楽しめる「ストーリーパート」も用意されている。ユーザーは、音ノ木坂学院でスクールアイドルとして活動を行っているユニット「μ’s」(ミューズ)に頼まれて、アイドル部のお手伝いをすることから始まる。

 ライブパートでは、あらかじめ9人の部員でユニット(グループ)を作り“ミュージックスタート”。μ’sが歌う楽曲が流れるなかで、画面中央から丸の形をしたアイコンが発射され、9カ所ある部員の顔が描かれたアイコンと重なったところでタイミングよくタッチするというもの。タッチするタイミングによってPERFECTやGREATといった判定がされる。タイミングがあわないと画面左上のゲージが減っていき、0になると楽曲の途中でも終了。最後まで完走するとクリアとなる。

  • ゲーム開始直後にはメインとなるμ’sメンバー9人の中から1人を選択。そのメンバーのレアカードがもらえる

  • 丸のアイコンが部員のアイコンに重なったときに、タイミングよくタッチしていく

  • 2箇所を同時にタッチしたり、長押しするものもある

特技が発動されると、ボイスとともにメンバーがカットインする演出も用意。この機能をオフにすることもできる
特技が発動されると、ボイスとともにメンバーがカットインする演出も用意。この機能をオフにすることもできる

 ライブパートで遊ぶには、「LP」を消費して挑む形となる。楽曲と難易度によって消費ポイントがそれぞれ異なり、時間経過により消費しきっても一定時間で回復する。もしくは課金アイテムである「ラブカストーン」を使って回復することもできる。

 楽曲にはそれぞれ「スマイル」「ピュア」「クール」の3つの属性があり、部員にもその3種に対応したパラメータが設定されている。リズムパートのスコアは、このパラメータにも影響されるため、その3種に対応したパラメータが高い部員同士でグループを組んだほうが、スコアが高くなりやすい。

  • 基本的に、楽曲はそれぞれ3つの難易度と3つの属性がある

  • 9人のユニットを決め、ライブパートに臨む。部員のパラメーターや特技を考慮してユニットを組むと有利だ

  • μ’sのメンバーは基本的にレアカード以上の位置付けで、能力が高く特技持ち。そのほかセンターに配置すると効果を発揮するセンタースキルもある

 部員のパラメーターは、ほかの部員(カード)と一緒に練習することで上がるが、練習相手となった部員はいなくなってしまう。このあたりはカードバトルにおける合成と思うとイメージしやすい。部員(カード)は「勧誘」から入手することが可能。プレイすることなどで入手できる友情ポイントや、ラブカストーンを使用する。

  • μ’sメンバー以外にも、ノーマルカードという位置付けの一般生徒が登場する

  • 練習によってレベルやパラメーターが上がる

  • 全く同じカード同士で特別練習を行うと覚醒し、レベルの上限が上がるほかライブ衣装に変化する

 ストーリーパートではμ’sのメンバーが登場し、メンバー同士の会話で物語が進行。テキストだけではなくフルボイスで収録されている。ライブをクリアしたり、一定の経験値が溜まると上がる「Rank」によって、メインストーリーの新たな物語が開放。またそれを見ることによって、ライブパートで遊べる楽曲が増えていくという流れになっている。

μ’sのメンバーの掛け合いで振興するメインストーリーはフルボイスで進行する
μ’sのメンバーの掛け合いで展開されるメインストーリーはフルボイスで進行する
  • 覚醒した状態の部員が、ライブパートに参加させると増える「絆」がいっぱいになると、その部員専用のサイドストーリーが見られる

  • サイドストーリーはμ’sのメンバーだけではなく、一般生徒にも用意されている。こちらにボイスはついていない

遊び応えのあるリズムアクションと楽曲開放に課金を設けてないのがポイント

 本作については、カード収集&強化、リズムアクション、アドベンチャーパートの各要素を切り取ってみると、きわめてスタンダードなシステムだが、それらが有機的に絡み合っているのが特徴だ。モバイル端末で遊ぶアプリでカードとガチャとある時点で、俗に“ポチポチゲー”と呼ばれるような単調さをイメージされやすく、ソーシャル要素としてフレンド機能があるため“ソーシャルゲーム”という言い方はできるが、主軸にあるのはリズムアクションゲームであり、そのクオリティもかなり高く遊び応えがある。単調さが苦手なユーザーにとっては、ゲームとして十分楽しめる内容だろう。アドベンチャーパートのフルボイスや、それ以外でもところどころでボイスによる演出も楽しく感じられ、育成要素もあるためついつい遊んでしまう。

 特筆すべきポイントは、遊べる楽曲そのものに課金を設けなかったことだ。これまでもリズムアクションを主軸にしたスマートフォン向けゲームは数多くリリースされているが、その多くはパッケージ的な買い切りや、数曲だけ無料で遊べ、追加楽曲の提供は有料であることが多い。遊べる楽曲の開放のためにゲームをプレイして進行させていく必要があり、LP消費によるプレイ回数の制限があるものの、基本無料の形で主要な十数曲(※6月の時点で基本楽曲が14曲、以降追加予定)を遊べることは大きな魅力だ。

基本楽曲は過去にリリースされたナンバリングシングルを収録し、その後はテレビアニメの主題歌も配信された。2分間のショートバージョンだが、アニメから入ったファンでも過去作に触れられるいい機会となっている
基本楽曲は過去にリリースされたナンバリングシングルを収録し、その後はテレビアニメの主題歌も配信された。2分間のショートバージョンだが、アニメから入ったファンでも過去作に触れられるいい機会となっている

 基本無料の形でリズムゲームを配信することそのものにおいても、原作の魅力を生かすのとあわせて、さらなる広がりを得られやすい内容だと考えられる。多方面に展開しているコンテンツのなかでも興味の有無を問わず不特定多数に訴求しやすいのは歌であり、楽曲の好みは人それぞれにはなるが、本作ではガールズポップやアイドルソングのような総じて耳なじみやすい曲が揃っている。さらにゲームであれば必然的に繰り返し聴くことになり、そこから楽曲を通じて作品に興味を持つきっかけも得られ、さらにアドベンチャーパートはフルボイスでキャラクターが理解しやすい。基本無料でリリースし楽曲の開放にも課金を設けなかったことは、ファン以外にもコンテンツを訴求できる入り口としての効果は、特に大きかったのではないだろうか。

  • スコアだけではなくコンボ数の指標も入れて、プレイヤースキルにも一定の評価を与える形にしている。とはいえ、プレイヤースキルが直接スコアに反映されるシステムとは異なるため、戸惑いの声も聞かれた

 リズムアクションゲームに関して、これまでプレイヤースキルが直接スコアに反映されるスキル依存度が強い風潮があるため、部員(カード)の強さや育成度合いがスコアに影響することについて戸惑うユーザーもいるかもしれない。ただしスコアに関する報酬は軽微なもので、ゲーム進行のために特定のスコアを出す必要はなく、ゲーム内イベントのランキングを除いては依存度が少ない。また、本作ではクリア時の結果に関して、スコアだけではなくコンボの評価も入れ、カード育成&強化とプレイヤースキルの両面での指標を入れている。

  • ソーシャルゲームでよく見られる、獲得ポイント数を競ったり一定のポイント獲得で報酬を付与するイベントも行っている

 決められた譜面をタイミングよくタッチしていくというゲームの性質上、ランダム性がないためモチベーションの維持や継続性がポイントとなる。このあたりは運営面の手腕が問われるところだが、現状では通常楽曲のほかに日替わりで登場する特別楽曲や、新規曲によるゲーム内ランキングイベントの開催、新ストーリーや基本楽曲の追加を定期的に行っている。

 記者はiPhone 5でリリース直後からプレイしているが、ボタンではなくタッチパネルという性質上、意図せずにタッチ位置がずれてしまいミスになってしまうこともたびたびあった。判定範囲やタイミングについての感覚は個人差があるため一概には言えないが、初期状態ではかなり気になっていたものの、現在では大分改善されたように思う。またiOS版では、リリース直後に極端に大かったLP消費量の緩和や、ライブパートでアイコンが見えずらくなるという意見が多かったカットインのON/OFF機能の実装をはじめ、タッチの認識範囲やタイミングの調整など、細かいところで気になる部分を改善していると感じている。

 アプリのヒットに関しては、もちろん作品人気や熱心なファンの影響が大きいと思われるがそれだけではなく、ルールそのものはシンプルで、男性だけではなく若年層の女性にも愛好者が多く受け入れやすいリズムアクションゲームというジャンルを中軸に置いたことや遊び応えのあるクオリティの高さ、楽曲そのものの良さ、それを広く耳にしやすいように楽曲開放に課金を設けず基本無料したことが後押ししていると考えられる。

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