ここでは「ラブライブ!」のプロジェクトそのものに触れていきたい。このアプリはもとより、特に2013年1月から3カ月間にわたって放送されたテレビアニメが話題を集め飛躍的に知られるようになったのだが、テレビアニメが初出ではない。アスキー・メディアワークスの雑誌「電撃G’s magazine」、アニメ関連楽曲を多く手掛ける音楽会社のランティス、アニメ制作会社のサンライズによる合同プロジェクトとして2010年6月からスタートし、すでに3年が経過している。
東京にある秋葉原、神田、神保町という3つの街に囲まれた伝統校「音ノ木坂学院」を舞台に、生徒数の減少によって統廃合の危機にさらされていることを知った2年生の高坂穂乃果が中心となり、学校の存在をアピールし入学希望者を増やすために、9人の生徒がスクールアイドルを結成。アニメーションPV(DVD&BD)付き音楽CD のリリースのほか、インターネットラジオやライブイベント、雑誌、トレーディングカードゲームなど、さまざまなメディアを巻き込んだ展開を行っている。
プロジェクトスタート当初のころは知る人ぞ知る状態であったが、継続的な紙面展開とCDのリリース、ネットラジオや動画配信番組などの活動によって、“ラブライバー”と呼ばれるファンを生み出し徐々に知られるようになっていった。2012年からは単独ライブやアニメロサマーライブ2012出演などのライブステージも行われ、特に見栄えがするように振付けられたアニメPVのダイナミックなダンスを再現するというパフォーマンスが話題に。その後のテレビアニメで一気に注目を集めることとなったが、どちらかというと地道な活動のなかでようやく芽が開いたプロジェクトといえる。
「ラブライブ!」では“みんなで叶える物語”をコンセプトとし、投票や公募などの読者参加企画が数多く行われている。ナンバリングシングルのセンターを決める総選挙をはじめ、ユニット名のμ’sも公募で決まったものだ。ファンのお気に入りのメンバーに対してその思いを表現できる、なんらかの形でファンの声が反映されるのも特徴となっている。
ちなみに記者の独断と偏見による一押しメンバーは星空凛だ。音ノ木坂学院の1年生でショートカットの女の子。喋るときの語尾が「にゃ」「にゃー」となるのが特徴だ。ここだけ見ると媚びている感じに受け取れるが、実際には明るく元気な体育会系。ちょっとおバカなところもあるが、悩むよりは体が先に動くタイプで面倒見もいい女の子だ。
ゲームのアドベンチャーパートだけを見るとちょっと変わった感じの子のようにも映るが、テレビアニメでは彼女の持つ豊かな表情や無邪気なところが、存分に表現されていると感じる。文字で表現するのは難しいが、記者が見たポイントとしては「エンディングでひたすらマラカスを振る姿がかわいい」、「花陽からスクールアイドルに誘われて戸惑う表情がかわいい」、「思ったことを悪気なく直球で言ってしまうところがかわいい」、「『シャー』と、猫が怒ったようなポーズがかわいい」、「学校の屋上で抜群の身体能力をアピールして決めポーズもバッチリだったのに、土砂降りで濡れてしまった姿がかっこいい」、「現在と小学生時代の回想シーンともに、スカート姿が結構お似合いでかわいい」、「回想シーンで『凛、知ってるよ!』のあとに見せる屈託のない笑顔が天使級」といったところだろうか。
またテレビアニメではないが、凛の天然さが如実に表現されている上に破壊力の高いものといえば、高坂穂乃果とのユニットCD「Mermaid festa vol.2 ~Passionate~」に収録されているミニドラマ「ほのりん、あなたを起こしに来ました!」だ。寝ていてなかなか起きない“ダーリン”に対して、凛が年頃の女の子であれば躊躇するであろう、とある起こし方を何の戸惑いもなく実行しようとするもので、「体が先に動くタイプ」がよくわかる内容となっている。ただし、これを目覚ましに使用すると、ついつい起きても目をつぶったままにしたくなり、二度寝に陥る危険があるので注意が必要だ。
そんな彼女を表現する的確な文字は「>ω</」。これは単なる顔文字ではなく、テレビアニメのサウンドトラックCDに収録されている1つの曲名(トラック名)になっており、これで「テンション上がるにゃ!」と読むという。今後ゲームのアドベンチャーパートに表情差分が導入されるようなことがあるなら、個人的には凛にこのような表情が入るとグッと魅力が上がると感じている。
「ラブライブ!」の今後の展開としては、6月16日には3周年記念ライブ「μ’s 3rd Anniversary LoveLive!」をパシフィコ横浜で開催。チケットはすでに完売し、ライブビューイングを全国約50カ所で上映。またアニメロサマーライブ2013の出演やナンバリングシングル6枚目のアニメPV付きCD、ユニットに分けてのCDリリースも決定し、さらなる広がりや人気上昇を期待させるプロジェクトとなっている。
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