カリフォルニア州ランチョパロスベルデス発--GoogleのSundar Pichai氏はD11カンファレンスの壇上に立ち、「Android」と「Chrome」を別々に維持していくことと、Android搭載端末におけるユーザーインターフェースのさらなる共通化を進めていく「導き手」として一役買うことについて、同氏の見解をあらためて述べた。
AndroidおよびChrome担当シニアバイスプレジデントを務めるPichai氏は、「AndroidとChromeは異なる見方を象徴しており、両方ともうまくいっていることを考えると、どちらも安心して置いておける」と、同カンファレンスの共同司会者であるWalt Mossberg氏に語った。ただし、Pichai氏によると、この2つのプラットフォームにはさらなる統合の余地を残しているという。
「現時点で、われわれは進むべき方向を変えるつもりはない。しかし、コンピューティングが変化していく様子を見れば、興味深い側面での相乗効果が存在する可能性がある。今のところ、われわれは両方のプラットフォームを持つことに満足している」(Pichai氏)
Pichai氏は、9億台ものモバイル端末に現在搭載されているAndroidの課題とは、「完全にオープン」であることと、全Android搭載端末により共通のユーザー体験を導入することであると主張した。「Googleの視点から見て、われわれはユーザー体験をとても大切に考えている。(中略)つまり、すべての人々に共通のユーザー体験を届けるために、われわれがどのようにしてその導き手となるか、ということだ」
Mossberg氏は、Appleがそのユーザーインターフェースやハードウェアプラットフォームを厳しい支配体制の下においていることに言及し、Androidプラットフォームにさらなる共通性を生み出すということは、「Apple的なものをほうふつさせる」と表現した。それに対し、Pichai氏は、「Appleは多くのことをうまくやっているが、手掛けている製品数は非常に少ない。われわれは、同じことをパートナーと連携して行っている」と述べた。
Pichai氏は、標準のAndroidを搭載するスマートフォン「HTC One」が6月26日から「Google Play」で提供開始されると発表した。
Pichai氏によると、Android搭載端末におけるサムスンの支配的地位については、Googleとサムスンの象徴的な関係を示すものであり、両社は今後12〜18カ月にわたって共同でプロジェクトに取り組んでいくという。「それは、とても活気のあるエコシステムであり、小規模のプレーヤーが多数参加している。地域的には特に、中国やインドといったところが非常にうまくやっている。われわれには、このエコシステムがかなり活気のあるシステムにみえる」(Pichai氏)
「単なるOSということではなく、その上にあるサービス、すなわちクラウドサービスだ。検索、マップ、YouTubeをみてほしい。マップを実現するために、われわれはクレージーなことをやっている。(中略)飛行機を飛ばしたり、車を走らせたり、これからもっと多くのことをやる予定だ。それに、Google Nowもある。私自身、技術革新はまさにこうしたところから生まれると考えており、それをゼロサムゲームとはみなしていない。なぜなら、この業界は急成長しているからだ」(Pichai氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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