Microsoftは「Xbox One」を万人向けのデバイスと位置付けるビジョンを掲げているが、これとはまったく対照的に、ソニーの代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)を務める平井一夫氏は同社の「PlayStation 4」(PS4)を何よりもまずゲーマーのためのデバイスとしてアピールしている。
AllThingsDのIna Fried氏によると、平井氏は米国時間5月30日、D11カンファレンスで次のように述べたという。「少なくとも最初の段階でわれわれに求められる最も重要なことは、PS4がビデオゲームのユーザーにとって魅力のある素晴らしいビデオゲーム機であるという点で皆が一致し、それを理解することだ。その点を見失えば、このゲーム機を当初から軌道に乗せることはできないと私は思う」
2013年秋に発売予定のPS4にはゲーム以外のアプリケーションも用意されると平井氏は付け加えた。だが同氏によると、発売時にこれらのアプリケーションを大々的に取り上げるつもりはないという。
Fried氏によると、平井氏はさらにソニーの小売関連の取り組みにおける変化についても語り、小規模な店舗やキオスクの追加に触れたという。
途中からは米プロフットボールチームSan Francisco 49ersを所有するJed York氏が壇上の平井氏に加わり、シリコンバレーの中心部に建設が進んでいる同チームの新しいスタジアムで数多く導入されることになっているソニー製デバイスをアピールした。2014年にオープンを予定しているこのスタジアムの狙いは、どのスタジアムでも見かける大型スクリーンにとどまらず、はるかに多彩な方法で試合観戦に訪れるファンをつなぐことだ。
D11カンファレンスを取材したVentureBeatのDylan Tweney氏によると、York氏は次のように述べたという。「ハードウェア主導のスタジアムではなく、ソフトウェア主導のスタジアムになりたい。どんな形であれ、観客が望む方法でスタジアムとつながることができるようなインフラを構築したいと、われわれは考えている」
モバイル分野について見ると、ソニーは携帯電話事業の再構築において世界中で成功を収めているが、米国での取り組みはまだ途上だと平井氏は語った。また、より解像度の高い4Kテレビを本格展開する時期について尋ねられると、平井氏はもうしばらくかかる見込みだと述べた。
Fried氏によると、平井氏は「HD(HDTV:高精細テレビ)が一晩で生まれたわけではないように、(4Kテレビも)時間がかかるだろう」と指摘し、コンテンツ制作者やデバイスメーカーなどの仕事にかかっていると述べた。「これはまさにカラーテレビで起こったことだ」(平井氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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