一方のオリコは、非接触型IC決済サービスに関わる社内実験などの研究を2004年から手掛けている。その後2006年にはFeliCaを採用した後払い方式の非接触型決済サービスを提供、2012年にはドコモと共同でNFCの実証実験も行っている。そういった意味で「先行者という自負をもっている」とオリコ執行役員 顧客営業推進グループ渉外担当の山口 朗氏は話し、同様の非接触型決済サービスであるMasterCardの「PayPass」を採用した「イクスピアリカード」におけるサービス開始直後の実例データを示した。
それによると、1~1000円の少額取引におけるPayPassの取り扱い件数が4カ月で2倍前後にまで膨らんでおり、1001~5000円の取引では2割程度増加していることがわかる。このことからOricoCard Visa payWaveでも、「5000円以下の現金市場の攻略」を目指すとともに、「海外利用の促進」「会員のメインカード化」などを重点戦略として掲げていく計画。
そのためには“カスタマーエクスペリエンス”が重要であると同氏は訴え、例としてコーヒーチェーンのスターバックスやECサイトのAmazonを引き合いに出した。各企業において、商品を売るだけでなく、場の雰囲気や店員の笑顔、あるいは豊富な品揃えや商品配送の迅速さという“総合的な経験”が顧客満足度につながっていると分析し、オリコのカードでも、「申し込んでカードが封筒で届いたときにわくわくしたり、実際に使った時に簡単・スピーディーに決済できる、というような総合的な経験を通して、いいカードだと思ってもらえるようにしたい」(山口氏)と語った。
山口氏はOricoCard Visa payWaveについて、今まで同社が提供してきた中でも最高のカスタマーエクスペリエンスを提供できる商品であるとも断言し、オリコ代表取締役社長の斎藤 雅之氏も、「非接触ICの本格的な普及と日本のクレジットカードのさらなる拡大に大きく寄与するだろう」と今後の広がりに期待を寄せた。
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