2013年6月期第3四半期(1~3月)決算が減収減益となり、2四半期連続での通期業績の下方修正を発表したグリー。同日開催された決算説明会でグリー代表取締役社長の田中良和氏は「選択と集中」でこの局面を打開すると語った。
第3四半期の売上高は378億9200万円(前年同期比18%減)、営業利益は108億1100万円(同56%減)、経常利益は121億2900万円(同51%減)、純利益は47億600万円(同65%減)。有料課金収入、広告メディア収入ともに前四半期から減少した。
国内のコイン消費については、フィーチャーフォンでの消費が想定以上に減少したほか、スマートフォンでも新規の自社タイトルが不発に終わった。前四半期から連結対象としているポケラボのタイトルについては好調に推移しているという。一方で海外市場全体では、収益性の高いタイトルへの集中戦略が奏功し、前四半期比で倍増した。特に米国でのコイン消費は好調だという。しかし国内の不調に加え、国内外のタイトルの絞り込みによる特別損失を計上した結果、2四半期連続で下方修正を発表するに至った。
これに対してグリーでは、選択と集中の成長戦略を提示。フィーチャーフォンからスマートフォンに集中する。さらにスマートフォンのネイティブアプリについては開発タイトルを絞り、ブラウザに注力する。海外に関してもタイトルを絞り込むとした。ヤフーやサイバーエージェント、オルトプラスの各社と共同で設立した新会社を通じて開発スピードの向上を狙う。
説明会の質疑応答では、ガンホーの「パズル&ドラゴンズ」のような、リッチな表現が可能なネイティブアプリへの対応についての質問がなされたが、田中氏はこれに対して「ネイティブアプリでないとできないジャンルは広がっていくと認識している。対応は進めたいが、ネイティブアプリが伸びているのは全体が伸びているということ。ほか(ブラウザゲーム)が食われている訳ではないと考えている」(田中氏)とした。
さらに、ネイティブアプリの隆盛によって、グリーというプラットフォームから離れるユーザーが増加するのではないかという問いに対しては「PCにおいても、ブラウザとアプリのマーケットは両方とも継続している。ネイティブアプリの分野でも競争は激しくなっており、ブラウザより簡単な市場ではないと考えている」(田中氏)と回答した。
また、グリーが3月に提携を発表した開発会社のグラニが、同じく開発会社であるgumiのタイトルが同社の知的財産を侵害しており、グリー役員を通じて警告をしているとFacebookページで発表している。これについては、「グラニがFacebookでそういったものが上がっていることは認識しているが、個別の事情であるためコメントは差し控える。ただ我々としてはクリエイティビティ、創作性は大事にしていきたいのは何も変わっていない」(グリー コーポレート本部長の秋山仁氏)と答えるにとどまった。
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