米CNETが得た情報によると、Appleは、押収した「iPhone」のパスコードロックを解除してほしいとの要求が警察から殺到していることを受けて、大量の要求を処理するために「順番待ち名簿」を作成したという。
裁判所に提出された書類によると、連邦捜査官は2012年、クラックコカインを販売した罪に問われているケンタッキー州の男性のパスコードロックされた「iPhone 4S」のために捜査が難航していたので、Appleにロック解除を要請したという。
米連邦地方裁判所のKaren Caldwell判事が先頃執筆した意見書の中で述べたところによると、アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)の捜査官は、「同デバイスのロック解除を助けてもらうためにAppleに連絡を取った」という。しかし、ATFは「Appleが作成した順番待ち名簿に追加された」とCaldwell判事は書いている。
ATFの捜査官であるRob Maynard氏が作成した捜索令状の宣誓供述書によると、Maynard氏は2012年夏、3カ月近くにわたって、iPhone 4Sの「ロックを解除できる科学捜査能力を持つ地方、州、または連邦政府の法執行機関を見つけようと試みた」という。しかし、あらゆる警察機関が「自分たちにそのような科学捜査能力はない」と返答したことを受けて、Maynard氏はAppleに助けを求めた。
Maynard氏によると、Appleの訴訟部門の法律専門家であるJoann Chang氏はMaynard氏に対して、順番待ち名簿には非常に多くの名前が記載されているので、少なくとも7週間は待たなければならないだろう、と述べたという。そのプロセスにどれだけの時間がかかるのかは不明だが、少なくとも4カ月が既に経過しているようだ。
これらの文書は、暗号化されたモバイルデバイスを科学捜査の手法で分析するという、ますます普及しつつある法執行機関の慣習に新たな光を当てるものだ。こうした慣習は、令状なしに行われると、米国憲法修正第4条に関する懸念を招く可能性がある。
2012年、サクラメント郡保安官事務所が作成した訓練用資料が流出した。その資料には、「法執行機関捜査官がiPhoneを捜査できるように同携帯電話のユーザーのパスコードを迂回」することで「法執行機関捜査官を助ける」ことをAppleに要求するための用紙が含まれていた。同資料によると、Googleはプライバシーをより強固に保護するアプローチを採用しており、「パスワードをリセットして、さらにリセットされたパスワードを法執行機関に提供する」が、このアプローチには携帯電話の情報が漏えいすることをユーザーに知られてしまうという副次的な悪影響もあるという。
ATFの広報担当チーフであるGinger Colbrun氏は米CNETに対し、「ATFは現在進行中の捜査や訴訟の詳細について話すことはできない。ATFは、あらゆる通信端末へのアクセスに関する連邦法や米司法省全体の政策に従っている」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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