アベノミクスの恩恵も--楽天Q1決算はEC、金融部門ともに好調

岩本有平 (編集部)2013年05月09日 18時41分

 楽天は5月9日、2013年度第1四半期(1~3月)の決算を発表した。売上収益は1131億円(前年同期比26.0%増)、営業利益は229億円(同23.1%増)、当期利益は142億円(同40.1%増)となった。同社は今期より国際会計基準(IFRS)を採用しており、前年度の業績に関してはIFRS基準で再計算したものとなる。

 国内のEC事業は高成長を維持。楽天市場を中心とした国内ECの流通総額は、3817億円と前年同期比で14.5%増加した。ユニーク購入者数(前年同期比10.7%増)や注文件数(同14.0%増)もそれぞれ増加したほか、モバイル経由での流通総額についても前年同期比で38.4%と大きく成長した。


楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 ネット金融セグメントも大幅に成長した。売上収益は前年同期比57.3%増となる461億7000万円となった。クレジットカードのショッピング取扱が前年同期比35.6%増と大幅に伸びるなどした。グループ間のシナジーも強くなっているとのことで、楽天証券の新規顧客の61.6%は楽天グループからの流入となっているという。

 同日開催された決算説明会に出席した楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、安倍晋三政権の経済政策である「アベノミクス」の影響について記者から質問を受け、「すでに恩恵にあずかっていると思う。東証の取引は活況を呈し、楽天証券の著しい業績につながった。消費者の信頼感も戻ってきている」と語った。

 また、子会社で電子書籍事業を展開するKoboについては、売上収益の実数は公開しなかったが、前年同期比98%増、ユーザー数は同80%増の1300万人、タイトル数は340万になったと説明。現在イタリアやブラジル、南アフリカなどの地域で市場を拡大していると説明した。

 楽天では2012年11月にフランスの物流会社Alpha Direct Services(ADS)の買収を発表しているが、海外ECについても、プラットフォームから物流までを自社で手掛けていく姿勢をあらためて説明した。物流に関しては国内外ともに自社で取り組んでいる楽天だが、楽天 取締役 常務執行役員 物流事業担当役員の武田和徳氏は、自社で物流までを手掛ける理由について「一番重要なのは最後のワンマイルまでユーザーを知りたいから。それによってさらなるサービスを提供できる」とその理由を説明。コスト削減、ユーザーへの価値提供いずれもの観点からも、自社で取り組むことが必要だとした。

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