「Twitter #music」レビュー--Twitterファンのための楽曲発見ツール

Jason Parker (CNET News) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2013年05月09日 07時45分

 米CNETがその存在を最初に報道して1カ月あまりが経過した後、ようやく「Twitter #music」が米国など6カ国で開始された。このアプリを使用すれば、かねてから約束されていた通り、Twitter上でのアーティストや楽曲のトレンドに応じて楽曲が紹介されたり、お気に入りのバンドがフォローしているアーティストを知ったり、楽曲をアプリ内で試聴/購入できるようになる。

 シンプルなアプリに思えただろうか?実際のところはもう少し複雑だ。まず、このアプリは単なるミュージックプレーヤーというよりも、むしろ楽曲発見ツールである。これは他のサービスのように特定の楽曲を検索して再生する機能を持っておらず、ラジオ局を開設できるようにもなっていない。そういった方向性を追求しているのではなく、Twitter上で人々が話題にしている楽曲の発見を主な目的にしている。では、Twitter上で最も流行している楽曲が分かると、何か便利なことがあるのだろうか?筆者にはよく分からない。人々がTwitter上でアーティストや他の人々をフォローする理由はさまざまである。特定のアーティストをフォローするのは、そのアーティストの楽曲がお気に入りであるためなのかもしれないし、そのアーティストのソーシャルメディア上でのパーソナリティが素晴らしいためなのかもしれない。Twitter #musicはそういった違いを理解してくれないのである。

アプリの機能

 このアプリの主ナビゲーション画面上部には「Popular」や「Emerging」「Suggested」「#NowPlaying」といった選択を行うためのボタンがある。こういったボタンに対応し、Popularというセクションでは現在流行している楽曲が、Emergingでは人気上昇中の楽曲が、Suggestedではあなたのツイートやフォロー対象に基づいたお勧めアーティストが、#NowPlayingではあなたのフォローしている人によって最近言及された楽曲が表示される。また、そのインターフェースは、アプリの目的を考えた配置となっており、カラフルなアーティスト画像も表示されるため気持ちよく閲覧できるようになっている。ただ、筆者が見過ごせなかったのは、こういったリストそれぞれがTwitterの世界だけに基づいているという点である。今ではどこからでもヒットチャートの上位40曲を調べられるのに、なぜTwitterユーザーたちだけによる情報を入手する必要があるのだろうか?正直なところ、筆者はその理由を思いつけなかった。

 検索機能も用意されているものの、筆者が実際にテストして便利だと感じたのは、アーティストのプロフィール情報を探す場合だけだった。流行している楽曲をいくつか検索してみたものの、大した結果は得られなかった。

 リストからアーティストを選択すると、いくつかの追加オプションが表示される。ここから「iTunes」を使って楽曲を30秒間試聴したり、右上にあるボタンを押してそのアーティストをTwitterでフォローするようにしたり、下部に表示されているアーティストのTwitter名をタッチしてそのアーティストがフォローしている他のアーティストすべてを表示させたりできる。

 楽曲の再生中に画面下部のアイコン(回転するレコード盤)をタッチすると、クールなターンテーブルのアニメーションが表示されたウィンドウがオープンする。そのターンテーブルの周囲をタッチすれば楽曲の他の部分にスキップすることができる。また、一時停止/再生コントロールの他、画面下部には音量調整スライダーもある。ターンテーブルの右上には、あなたのお気に入りアーティストに関するツイート(すぐに共有できるよう、ある程度の文面が用意されている)を、Twitterであなたをフォローしている人々に向けて伝えるためのアイコンが配されている。

 楽曲を始めから終わりまで聴くこともできるものの、それには「Rdio」のUnlimitedサービスか「Spotify」のPremiumサービスに加入しておく必要がある(いずれも月額料金は9.99ドル)。筆者はTwitter #musicを使用するためだけに、これらのサービスに加入する価値があるとは考えていないものの、既に加入しているのであれば、Twitter #musicでフルバージョンの楽曲を聴けるという素敵なボーナスを手にできる。ただ、このアプリは一般的なミュージックプレーヤーではないという点を忘れないようにしてほしい。これは新しい楽曲を見つけるためのアプリにすぎないのだ。

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