ドコモ、2012年度はスマホ販売が5割増--MNPは苦戦

藤井涼 (編集部)2013年04月26日 19時00分
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 NTTドコモは4月26日、2013年3月期通期(2012年4月1日~2013年3月31日)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比5.4%増の4兆4701億2200万円、営業利益は同4.3%減の8371億8000万円、純利益は同6.8%増の4956億3300万円となった。

 「月々サポート」やMOUの減少によって音声収入が減少したものの、Xiサービス契約者の増加などによってパケット収入が増加した。端末機器販売では、卸売単価や代理店への販売数が増加。新領域での事業拡大なども加わり前年同期と比べて売上高が5.4%増加した。一方で、新領域の拡大にともなう費用の増加や端末機器原価の増加などによって営業費用も増えた。

  • NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏

 通期でのスマートフォンの販売台数は前年度比50.7%増の1329万台。2012年冬モデルの「AQUOS PHONE ZETA SH-02E」が発売5カ月で約60万台、2013年春モデルの「Xperia Z SO-02E」が発売2カ月半で約63万台売れるなどして成長を牽引した。一方で、競合他社が販売する「iPhone 5」の影響もあり、MNP(携帯電話番号ポータビリティー)の転出が増加し純増数は伸び悩んだ。

 NTTドコモ代表取締役社長の加藤薫氏は「(2012年の)9~11月はMNPで非常に苦戦している。それはiPhone 5の影響だった。一方で、2月から投入した春モデルによって第4四半期の純増数が増加したことも含めて手応えを感じている。2013年度はできるだけラインアップは増やしすぎず、かつオススメの端末を用意したい」と語る。

 2013年度については、ドコモの総販売台数のうち4分の3がスマートフォンになると予測。また、最近はフィーチャーフォンユーザーがスマートフォンではなくタブレット端末を2台目として購入する傾向にあることを明かし「『dtab』(ドコモの低価格タブレット)などとの組み合わせも出てくる」との見方を示した。

  • 2012年度決算のトピック

  • MNP転出増で純増数は苦戦

  • Xiの基地局も倍増へ

 LTEサービス「Xi」の契約数は1157万契約で、2011年度末の222万契約から約5.2倍に増えた。同社によれば4月20日時点で1200万契約を突破しているという。これにともないパケット通信収入も前年度比で1093億円増加した。Xi基地局数も3月に2万4400局を超えており、2014年3月時点で5万局を目指す。

 サービス面では、ドコモのコンテンツストアである「dマーケット」の売上高が約230億円となり、2011年度末の約20億円から約11.5倍に成長した。特に月額525円で映画やアニメが見放題の「dビデオ」が好調で、2012年度は413万契約、185億円を突破している。またドコモでは、月額定額で100種類のサービスや、セキュリティ、ストレージなどがまとめて利用できる「ドコモ サービスパック」を5月中旬に提供する予定だ。

 同社ではスマートデバイスを活用したヘルスケア事業にも注力しており、3月6日にはユーザーの健康をトータルで支援することを目的とした新ブランド「わたしムーヴ」を立ち上げている。4月26日の決算会見では、メディカルデータベース事業を展開する日本アルトマークを子会社化することも発表された。

  • 2013年度の事業運営方針

 ドコモでは、モバイルを核とした総合サービス企業を目指す“中期ビジョン”を掲げているが、2013年度は「スマートライフのパートナーへ」をテーマに事業を展開する。その狙いについて加藤氏は「これまでは『総合サービス企業』としてドコモの企業としての生き方を考えていたが、顧客サイドから見た時にどんな価値を提供できるかを考え直すことにした」と説明する。

 具体的には、ドコモクラウドを活用したサービスプロバイダとしての進化や、モバイルネットワークやWi-Fiなどネットワークの種類を意識しないシームレスな環境の構築、あらゆるデバイスからサービスへアクセスできるようにすることなどだ。さらに、今後はドコモユーザーに限定しないマルチキャリア展開を進めるほか、7月には社内に「スマートライフビジネス本部」を設けることで、よりスピーディーな事業展開を目指すとしている。

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