YouTubeは、Viacomとの間で長きにわたって繰り広げられている著作権侵害訴訟において、3年間で2度目となる勝利を収めた。この訴訟は、不正にアップロードされたビデオに対して見て見ぬふりをしていたとして、Viacomがビデオ共有サイトであるYouTubeを提訴したものである。
米連邦地方裁判所のLouis Stanton判事は米国時間4月18日、デジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act:DMCA)の「セーフハーバー」条項により、Google傘下のYouTubeは法的責任をまぬがれるとして、同社の略式判決請求を認めた。
Paramount PicturesとMTVを傘下に持つViacomは2007年にYouTubeに対して、著作権侵害を奨励し、ユーザーによるテレビ番組や映画のクリップの不正なアップロードから利益を得ているとして、10億ドルの損害賠償金を求める訴訟を起こした。一方Googleは、DMCAのセーフハーバー条項によって同社や他のインターネットサービスプロバイダーは、ユーザーによる著作権侵害に対する責任を免れると主張した。
Stanton判事は2010年にYouTubeの主張を認める判決を下しており、Viacomは同年中に米第2巡回区連邦控訴裁判所に対して控訴していた。
YouTubeは、著作権を侵害していると後日認定された6万3060本のビデオクリップを提出し、適切な権利侵害通知書を同社に送付したことを証明するようViacomに求めた。Viacomは1月、「実際の知識に基づきクリップごとに評価できるだけのそういった証拠は、原告側も被告側も有していない」と認めたうえで「提出されたクリップのどれについて知識を有しており、どれについて有していないのかについて被告側がはっきり述べられないのは明らかだ」と主張していた。
同判事は18日、Viacomの主張について、「よく考えられている」ものの、「DMCAが成立する前の、時代錯誤な考え方」に基づいて同法律を解釈しているとして、新たな略式判決を出した。
同判事は「YouTubeが特定の侵害について知っていた、あるいは気付いていたと裁判で証明する責任は、YouTubeの反証に転嫁できるものではない」と記すとともに「連邦議会は、公開を中止すべき対象を特定する責任は著作権保持者にあると判断しており、この判断は実際に実行可能だと証明されている」と記している。
Google側の法律顧問を務めるKent Walker氏は声明で「YouTubeに対するViacomの訴訟を裁判所が認めなかったのは妥当であり、インターネット上の著作権に関する連邦議会の判断の正しさが再確認された」と述べるとともに「今回の判決はYouTubeだけではなく、アイデアや情報の交換のためにインターネットを使っている多くの人々にとっても勝利である」と述べている。
一方、Viacomは今回の判決が近視眼的であると批判するツイートを投稿している。
「この判決は、上級裁判所の判断を無視しており、独創的な芸術家らの権利を完全に軽視している」とViacomは述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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