logo

日本から破壊的なイノベーションをどう起こす--Android開発者やTwitter創業者が語る

岩本有平 (編集部)2013年04月16日 13時28分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 新経済連盟は4月16日、新経連サミットを開催した。日本や欧米を代表するインターネット業界の起業家や技術者が集い、日本経済の今後やイノベーションなどについて語りあっている。

 午前9時から始まった第1のセッションは、「破壊的なイノベーションとは何か?」をテーマにGoogle上級副社長のアンディ・ルービン氏、Square共同創業者・CEOでTwitter共同創業者のジャック・ドーシー氏、Pinterest 共同創業者のベン・シルバーマン氏、Atomico CEOのニクラス・ゼンストローム氏が登壇。それぞれがプレゼンテーションをしたのち、楽天代表取締役会長兼社長である三木谷浩史氏がモデレーターを務めるパネルディスカッションが繰り広げられた。ここではパネルディスカッションの様子をレポートする。

三木谷氏:アンディさん、Androidは世界で成功していますが、日本に注力しています。日本で成功するのは難しいと言われてきましたが、どうお考えですか。

ルービン氏:私自身も日本でAndroidがこんなに成功したことは驚きでした。それについて考えたんですが、日本人や日本文化はエコシステムについて広い考え方が身についています。例えばiモードです。なのでAndroidを使うことは簡単だったのではないでしょうか。

 また、もう1つ考えられるのは日本は長い時間をかけて90年代にプラットフォームを作ってきました。半導体や通信、これはすなわちプラットフォーム、基盤です。そういった構造を使って産業を作っていくことには慣れていたのではないでしょうか。

三木谷氏:ジャックさんはどうですか。日本の市場、エコシステムをどう思いますか。

ドーシー氏:日本のエコシステムはすばらしい。Twitterを流行らせたのも早かったし、「自分たちのもの」として使っています。クリエイティブで文化に即して使ってもらうのは面白かったです。日本語に対応していない時も、デベロッパーが自ら日本語化してくれました。

三木谷氏:シリアルアントレプレナーは何人もいますが、ジャックさんはTwitterとSquareというすばらしいサービスを2つ作りました。2つのサービスの類似点はあるのでしょうか。

ドーシー氏:類似点は多いと思います。いずれも、ものごとをシンプルにするというものです。Twitterはコミュニケーション、Squareはコマースです。

 私は会社を作るとは思っていませんでした。世界にサービスをもたらしたいと思ったのです。自分自ら発信することが大切です。「自分事」のように物事をとらえるためです。会社は(製品やサービスを)世の中に広げるためのツールなのです。

三木谷氏:ニクラスさんは世界でも「破壊的(distrupt)な人」と言われています。それって自分の血に流れるものなんでしょうか。

ゼンストローム氏:子供の頃から「今までと違うやり方がないか」と考えてきた。また、「流されたくない」「大衆と違う」と思っていました。反逆児なのかも知れませんね。

三木谷氏:ベンさんのPinterestは急成長しています。それはシリコンバレーエコシステムが成長に寄与しているのでしょうか。

シルバーマン氏:私はワシントンから引っ越してきましたが、シリコンバレーにいて良かったと思っています。周囲の人には勇気をもらえました。成功している人、失敗している人がいて、自分がいていいんだと思いました。世界のどこにいても、自分を応援し、支えてくれる人がいることは重要です。

 ですが、シリコンバレーでないと会社を興せないというかというと、そういうわけではありません。

三木谷氏:アンディさんにとって破壊的なイノベーションとは何なのでしょうか。また、破壊的なイノベーションは維持可能なものなのでしょうか。

ルービン氏:いい質問ですね。ものごとは必要であればメインストリームになってきます。(atomicoの出資先である)fonでも、もともと反逆する、破壊的でありたいというのではなく、他の人と違うことをやっていて、それに業界が則してきたのです。

 業界は破壊的なイノベーションに反発するが、適用する方向にも動きます。新しい技術は、そういった人たちを巻き込むとができます。

三木谷氏:ジャックさんはどうお考えますか。

ドーシー氏:「破壊的」という言葉は実は嫌いなんです。私がやっているのは破壊的なことではありません。物事を進行させているだけです。ある物を作りながら技術を発見し、世の中を進めているだけなのです。破壊的なのでなく、周りから見て破壊的な発想なだけです。

 自分たちが好きなこと、有益なこと、ユーザーが使ってもらえそうな物に集中してものをつくっていきます。そこには方向性があり、価値があります。これが組み合わさったときに、魔法のような成功例が出てくるのではないでしょうか。

三木谷氏:破壊的というか、ユニークなサービスはPinterestも同じですが、「人の興味関心をつなげていく」というコンセプトはどう思いついたんでしょうか。

シルバーマン氏:私自身、物を集めることが好きだと(パネルディスカッションの前に行ったプレゼンテーションで)言いましたが、それをオンラインでやりたいと思ったのです。

 2009年にサービスを作りました。その頃を昔とは思いませんが、当時を思い出すと大きなコンシュマー向けサービスはテキストベースであり、リアルタイムなものでした。

 ですが私は写真の方が好きでした。だから絵で見せるということを追求していきました。

三木谷氏:最初からうまくいったのでしょうか。

-PR-企画特集