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視聴者がテレビに一歩踏み込む--「リアル脱出ゲームTV」誕生秘話

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 リアルタイムで進行する事件ドラマをヒントに、提示された謎を視聴者自身が解き、PCやスマートフォンから特設サイトへアクセスして回答を送信する視聴者参加型のTVクイズショー「リアル脱出ゲームTV」。元旦に放送された第1弾は、一部地域のみでの放送だったにもかかわらず、特設サイトには64万人がアクセスし、31万人以上が番組に参加するなど大きな反響を呼んだ。

  • 4月5日に放送予定の「リアル脱出ゲームTV 第2弾~The Chase~」

 リアル脱出ゲームTVは、参加者が謎を解いて脱出する人気ゲームイベント「リアル脱出ゲーム」をプロデュースするSCRAPと、TBSがタッグを組んで実現した視聴者参加型のクイズ番組で、4月5日に放送される「リアル脱出ゲームTV 第2弾~The Chase~」も、サスペンス作品としての完成度を高めつつ、これまでにない視聴者参加の手法でリアルタイム視聴の臨場感を盛り上げる意欲作となっている。

 本編放送を前に、番組を制作した狙いなどを、TBSテレビ情報制作局情報二部担当部長 チーフプロデューサーの海本泰氏と、東京放送ホールディングス 次世代ビジネス企画室 プロデューサーの中島啓介氏聞いた。

――反響を呼んだ「リアル脱出ゲーム」が企画された背景は。

 海本氏:最も大きな目的は「リアルタイム視聴の促進」。録画やネット動画ではなく、放送時にテレビの前に座って楽しんでいただく番組の制作です。そうした企画を進める中で、イベントとしてサブカル的な人気を誇る「リアル脱出ゲーム」をテレビにとり入れるとどうなるか、ということを検討しはじめました。

――企画から制作にいたるまでの経緯を教えて下さい。

 海本氏:私は以前制作を担当しておりました「DOORS(TBSが2005~2009年に放送したゲームアトラクションバラエティ特番。全6回放送)に続く、新たなゲーム番組を企画開発している際にリアル脱出ゲームのイベントそのものを取り込んだゲーム企画を考えていたのですが、リアル脱出ゲームの主催者との打ち合わせの中で、テレビ番組視聴そのものを楽しめる参加型番組こそが「リアル脱出ゲーム×TV」であるという結論にいたりました。

 ただ、参加に主眼を置くあまり「参加せずに見ているだけの視聴者はつまらない番組となってしまうと意味がない。見ているだけでも楽しく、またリアルタイムで参加するともっと楽しい番組を目指す、ということでドラマの世界観の中でリアル脱出ゲームをとり入れる形となりました。

――実際、正月の深夜放送としてはかなりの参加者が集まりました。

 海本氏:応募総数30万人以上、うち正解者5711人。正解率1.8%の難関ながら、多くの方に楽しんでもらえてよかったと思います。

――視聴者側もSNSを使ったグループ回答をしたりお互いに相談するなど、テレビと離れたところで思わぬ広がりを見せていました。

 中島氏:そうした現象を私は「エキサイトシェア」と呼んでいます。通信技術が進歩した今の時代だからこそ可能な、コミュニケーションのカタチがある。テレビとネットを使った新しいエンタテインメントを創造する上で、視聴者がテレビに対して一歩踏み込んでいただけるような番組を目指しておりましたので、そうした盛り上がりを見せたくれたことは大変ありがたく感じます。

―― 一定の成功を収めることができたポイントはどこにありますか。

 中島氏:ドラマチームが良い作品を作ってくれたこともありますが、タイムカウンター(時間表示)を出すことで視聴者を焦らせたり、解読すべき暗号をかなり難解なものにした点もうまくいったかと思います。スマホやタブレットといったセカンドスクリーンを活用した取り組みは数多くありますが、どうしてもシステム頼みで世界観に入っていけないものが多い。本当の意味でテレビとネットをリンクさせ、視聴者の方へ没入感を提供することを絶対条件として、さまざまな工夫を凝らしました。

――2問目の暗号解読では、視聴者がテレビリモコンの色ボタンを押すことで新たな暗号文が出るという、一風変わったギミックもとり入れています。

 中島氏:ドラマの中でも刑事役の方が「ネットユーザーで暗号が解けたヤツはいないのか!」と発言するシーンがありますが、日常とテレビの向こう側の境界線をあやふやにすることで没入感を高める、というのは番組の大きな狙いでした。このデータ放送活用でいえば、現実世界に答えを潜ませることでテレビ・視聴者の境界線をあやふやにしています。

――1問目も暗号を解読すると実在の場所に行き当たります。

 中島氏:解読した暗号が数字になっていて、それを緯度・経度とする場所をネットで検索すると「東京都庁」に当たる。これも技術の進歩に感謝です。緯度・経度入力で場所が検索できるという技術自体が過去になかったものですから。これについても、ドラマと日常をつなぐ上でいいポイントになっていたかと思います。

 海本氏:こうした手法の難しさは、こちらが「仕掛けている」感じをあからさまに見破られると視聴者に嫌がられてしまうという点。ただ今回の場合、いわゆる番組タイアップ商品などを作って賞品や賞金に使うような「仕掛け」はありません。安っぽい釣りを仕掛けるのではなく、「番組を作ってみたのでご自由に参加してください」というスタンスを保てたことが、一定の支持をいただけた要因と考えています。

――ネットでの盛り上がりについて。一部では解答自体も出回っていたようですが。

 中島氏:そういう話もうかがっていますが、先ほど海本が申し上げたとおり、それも含めて「ご自由に参加を」ということです。LINEやSkypeを使って知人と相談しながら考えてもよし、大型の実況版を使ってみんなで考えるのもよし、です。どんな形であれ、遠く離れたところに住む個人同士が、番組を共通テーマにリアルタイムでコミュニケーションを交わすような、感動体験の共有「エキサイトシェア」を楽しんでいただければ幸いです。

――4月5日に放送予定の第2弾についてはいかがですか。

 中島氏:社内でも秘密にしていますが、第1弾を凌駕する新たな試みを実施します。かつ、今回も難問を用意していますので、ぜひ当日はテレビの前でチャレンジしていただけると嬉しいです。

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