外見に関しては、なかなか信じてもらえなかったが、(昔から)もともと痩せて今ぐらいだった。会社を立ち上げて10年で上場して拡大していく中、プレッシャーやストレスがあったが、それを酒と食べ物で発散して10年間で30kg太った。2004年頃は少し痩せたが、プロ野球の参入騒動でまた戻ってしまった。だが(刑務所で)規則正しい生活を送ることで痩せた。今後はあまりプレッシャーをかけ過ぎず、太り過ぎないようにしていきたい。
内面については、変わったかもしれないし、変わってないかもしれないと思う。注目をされ、囲まれ、質問を受けて返すことについて、2004年頃は慣れていなかったし、若かったこともあって怖いもの知らずだった。そこでイケイケでやったし、方法論が分かってなくてあまり考えず発言していた部分もあった。それによって反発を受けることもあったが、それについても「まあいいや」考えていた。しかし事件があり、世の中から反発を受けるとこういうことが起こる、と正直学習した。
皆さん(メディア)との付き合い方や社会との付き合い方、何がどう動いているか実体験で学んだ。私は体で覚えないとダメなタイプ。そしてせっかちで、自分の中で「35歳くらいまでに何かやらないとヤバい」といった強迫観念があった。
今は何もなくなって、裸一貫、自分しかいない。社会的な役割も大してない。そうなると、「そんなに自分にプレッシャーをかけなくていいんじゃないか」という気持ちになってきた。
お金は非常に便利なツールで、プラスでもマイナスでもない。忠実でニュートラルに付き合っていけばいい。私が言いたいのはそういうこと。ただ、表現がどぎつかったと思っている。
あえてどぎつい表現をしたのは、「みんなお金のことを考え過ぎ、執着しすぎ」と思ったから。単なる道具なのだからニュートラルに付き合えばいいのに、ウェットに考え過ぎだ。ただ、ライブドア事件などもあって、(発言が)センセーショナルに取り上げられることが多かった。
マイルドな言い方をすると「便利なツールだから特質を知って使いましょう」ということ。どぎつい言い方をすると、世の中からどう思われるかというのも分かった。
虚業という言葉についてだが、そもそも世の中に虚業なんというものは存在しないと思っている。ハイレベルな考えだと、みんな一生懸命「こうしたら世の中がよくなるんじゃないか」と思って頑張っている。もっと低いレベルで考えれば、自分が食っていくためや家族を食わせていくということなど、いろいろお金を稼ぐ目的や目標がある。
そこで何らかの生業を持つが、それに対して虚業なんていうこと自体がおかしいのではないか。虚業なんてものは世の中にない。社会から必要とされているから存在するのであって、必要ないと思われれば経済的に淘汰(とうた)されるし、皆さんの感情的な部分でも淘汰(とうた)される。
もともと株式投資には興味ない。自分の会社が上場してからはじめて知ったような人間。自分で株買ったりとかはしないが、景気が良くなるという風土が出てくる自体はいいことだと思う。
たまたま安倍内閣が発足して、為替相場が円安にふれて、日本株が割安になって、外国投資家が入って、株価が上がったのがきっかけと思うが、それで日本の投資家もどんどん株を買って株価が上がる。それは新聞で「実態を伴わない上昇」と言われるが、まずはそういったところから景気は上昇する。全体的にはいいことだと思う。
ただ一方で、バブルは起こるし、またはじけると思う。それは繰り返すことだと思う。一般投資家には「あんまりのめり込み過ぎないで」と言いたい。ライブドアの株は暴落して迷惑をかけてことは申し訳ないと思っているし、できる限り和解もさせてもらった。
そこでよく「年金を全部突っ込んだ」といったおしかりなどを頂いた。本当に申し訳ないと思うが、それはやらないでほしい。投資や株は自分の全財産を突っ込むものではない。多くても半分位にしておいた方がいい。より安全に運用しつつ、半分、4分の1をリスク資産で運用すべき。
みなさんのイメージではめちゃくちゃ金を持っていると思われているが、私が株をまとまって売ったのは2005年の4月。現金を持っていたのはそこから2006年くらいまで。その中であまりリスクのある運用はしなかった。
ばくち的なこともやっていたが、それはコアの部分とは別。日本、世界の経済によかれと思って会社を買収したりしていた。ただこれは世の中的にはちょっと早すぎたし、刺激の強いことも言い過ぎて反発された。だが今振り返ると、私の言っていた世の中は「来ている」インターネットが普及し、金融取引も普通になった。FXも割と早くからやってきたが、ちょっと早すぎた。
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