PCメーカーDellの買収をめぐる新たな競争が生じている。
先週末までは、Dellの創立者Michael Dell氏が率いるグループが、同社を244億ドルで非公開化する計画をほぼ完了させたように思われた。
しかし、ここにきてDellの取締役会にとって事態は複雑になったようだ。Reutersは米国時間3月24日、情報筋の話として、取締役会の特別委員会は土壇場で提出された2つの予備提案を精査していると報じた。1つは資産管理会社Blackstone Groupからの提案、もう1つは物言う投資家Carl Icahn氏からの提案だ。Icahn氏は以前から非公開化の計画を批判していた。
Reutersによると、Icahn氏はDellの58%の株式を1株あたり15ドルで買い付けることを提案しているのに対し、Blackstoneは1株あたり14.25ドル超(取得割合は不明)での買い付けを提案しているという。Michael Dell氏とプライベートエクイティ企業Silver Lakeが2月に発表した、240億ドル(およびMicrosoftからの20億ドルの融資)で同社を非公開化する提案は、1株あたり13.65ドルの計算となる。
Dell氏とSilver Lakeによる提案に決まると、Dell氏は過半数の株式を取得し、自身が創立した会社を新たな方向に導く機会を得られるが、対抗案に決まると同氏はリーダーシップを失う可能性があると、ReutersとThe Wall Street Journalは報じている。
Reutersの情報筋によると、対抗案に関する公式声明は早ければ25日にも出され、Dell氏とSilver Lakeによる提案との優劣が明らかになるかもしれないが、委員会は決定までにもう少し時間をかける可能性もあるという。Reutersは、この対抗案の登場は異例かつ予想外であり、事態の推移が数カ月延びる転機となるかもしれないと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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