デル、株式非公開化を批判する投資家C・アイカーン氏への回答文書を提出

Don Reisinger (Special to CNET News) 翻訳校正: 湯本牧子 吉武稔夫 (ガリレオ)2013年03月08日 11時40分

 Dellが株式の非公開化を発表した件で、これが正当な措置かどうかについて決定権を持つ4人の取締役で構成された同社の委員会は、決定に異を唱えるDellの株主Carl Icahn氏に回答文書を寄せた。

 Icahn氏は米国時間2月5日付の書簡で、同氏をはじめとする株主は株式の非公開化について、「Dellの株主の利益を最優先に考えておらず、同社を著しく過小評価していると考えている」と述べていた。Dellは株式を非公開化するのではなく、1株あたり9ドルの特別配当を実施するべきだとIcahn氏は考えている。それによって株価は13.81ドルにまで上昇し、これに1株あたり9ドルの配当を合わせると、株主は「株式非公開化で提示された1株あたり13.65ドルに67%のプレミアムが上乗せされた総額22.81ドル」を手にできるだろう、と同氏は述べた。

Carl Icahn氏
Carl Icahn氏

 Icahn氏は以前から、経営難に陥った企業にとって悩ましい存在となっている。同氏が重要な役割を果たしたとして最もよく知られているのはおそらく、2008年にインターネット大手の米YahooがMicrosoftと同氏による共同買収提案を拒否した時だろう。そのほかにも、Icahn氏は2012年に大量のNetflix株を取得したが、同社が「ポイズンピル(毒薬)」条項を導入してIcahn氏がさらに多くの株式を取得して経営権を握ることを阻止する動きに出たことがあった。

 Icahn氏は、これまでそうしてきたように、Dellにも最後通告を突きつけた。同氏は、株式の非公開化が投票で否決された場合に限り開始される配当の実施にDellが同意しなければ、同社の現取締役陣に代わる「役員候補」を提案すると述べた。Icahn氏はさらに、Dellおよび同社の取締役らが株式の非公開化に踏み切れば、「何年にもわたる訴訟」に直面する可能性も示唆した。

 特別に設置されたDellの委員会は3月7日付でIcahn氏に回答文書を寄せ、この中で同委員会は現在、Dellの株主にとってより良い条件を提示し得る第三者を探すための「確固とした『ゴーショップ』プロセスを実施している」と述べた。委員会はまた、「Icahn氏をはじめとするすべての関係者がこのプロセスに参加する」ことを歓迎するとしている。委員会によると、「ゴーショップ」プロセスは3月22日まで行われる予定で、続いて第三者との交渉期間が設けられる可能性があるという。

 委員会はこの日の回答文書で次のように述べている。「われわれの目的はDellの一般株主にとって最善の結果を確保することであり、それは発表済みの措置であっても代替策であっても変わらない」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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