Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏が、Beats ElectronicsのCEOであるJimmy Iovine氏と、Beatsが計画する音楽サービスに関する提携の可能性について話し合いを持ったと、Reutersが報じている。
Reutersは複数の匿名情報筋の話として、Cook氏が2月下旬、音楽業界の重鎮であるIovine氏とBeatsの「Project Daisy」について話し合ったと報じた。Project Daisyは、2月中旬に発表された音楽サブスクリプションサービスだ。ヒップホッププロデューサーのDr. Dre氏とともにBeatsを共同創設したIovine氏は、2月に開催されたAllThingsD Dive Into Mediaカンファレンスで、「キュレートされた」音楽サブスクリプションサービスを2013年夏に提供開始する予定だと述べている。
情報筋は、両氏の話し合いの目的は「情報交換」で、iTunesを統括するEddy Cue氏も同席したとしている。この話し合いで、Cook氏は同サービスの事業計画と提供スケジュールに関心を示したという。
米CNETはAppleにコメントを求めているが、まだ回答は得られていない。
Beatsと提携すれば、Appleはこの業界に直ちに参入できる。Appleは、音楽ストリーミングサービスに取り組んでいるとかなり以前からうわさされている。同社は2012年9月、選択した楽曲やアーティストに基づく「仮想的な」音楽ステーションを構築するカスタム音楽サービスに対する、音楽のライセンス提供についてレコード会社と協議していると報じられた。
このようなベンチャー事業を開始した場合、Appleは、Spotify、iHeartRadio、Pandoraといった企業と競合することになる。Pandoraは、単一の楽曲やアーティストに基づくカスタムなラジオ局を構築するアルゴリズムを使用し、有料サブスクリプションサービス、広告収入型の無料サービス、人気の高い一連のモバイルアプリを提供している。
市場調査企業BTIG Researchは2012年11月、業界幹部らとのインタビューに基づき、Appleが2013年のうちに音楽ストリーミングサービスを提供開始すると予測した。また、「iTunes 11」の水平バーに「Radio」オプションが追加されるとも予測している。
Appleは2009年、音楽ストリーミングサイトLala.comの買収によって、この分野への参入を試みたことがある。しかし、同社は6カ月もたたないうちに同事業を終了しており、Appleが再びストリーミング事業に参入することはないのではないかという見方が広がった。Appleが2011年に音楽ストリーミングに関する特許を申請したことで、再び憶測が飛び交うようになった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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