市場調査会社IDCが米国時間3月4日に発表したところによると、世界のスマートフォン出荷台数は、価格の低下と4Gネットワークの普及のおかげで、ついにフィーチャーフォンの出荷台数を上回ることになるという。
アナリストらは何年も前から、世界のスマートフォン販売台数がベーシックなフィーチャーフォンを追い越す日が来ると予想していたが、IDCは2013年についにその日がやって来ると予測している。IDCのレポートによると、2013年のスマートフォン出荷台数は業界の全出荷台数のおよそ50.1%に相当する9億1860万台になると推定されるという。また、スマートフォンの出荷台数は2017年末までに、携帯電話の全出荷量の約3分の2に相当する15億台にまで伸びるとも予測されている。
スマートフォンでは、ウェブの閲覧や電子メールへのアクセスができ、GPS機能が利用でき、さまざまなソーシャルメディアアプリを通じてお気に入りのコーヒーショップに足を運ぶこともできる。こうしたスマートフォンが現在これほどまでに人気を集めている理由として、IDCは2つの点を挙げている。最も重要なのは、スマートフォンの価格が世界的に見て大幅に低下したという事実である。また、世界各地の通信キャリアがより高速な第4世代のネットワーク、すなわち4Gネットワークを採用し始めたという事実も見逃せない。
中国やブラジル、インドといった人口の多い発展途上国における需要の高まりが、スマートフォンの需要の大半をけん引している。IDCによると、これは従来から大きく変わってきている点だという。従来は、世界におけるスマートフォンの大半が、米国をはじめとする成熟した市場の顧客に向けて出荷されていた。しかし今では、先に挙げたような発展途上国の顧客がこぞってスマートフォンの購入に向かっているようだ。そしてこういった国々での販売は近いうちに、米国のような市場での販売を追い越すものと予測されている。実際のところIDCによると、2012年に中国で販売されたスマートフォンの台数は、米国での販売数を上回ったという。
「われわれは、中国におけるスマートフォン市場の成長が過去2年の勢いをこのまま保ち続けるとは考えていないが、同国はスマートフォンの価格低下を先導する存在であり、現地では4Gネットワークへの移行が始まったばかりであるため、スマートフォン市場を成長させるうえでの大きなけん引力であり続けるだろう」と、IDC Asia/PacificのシニアリサーチマネージャーであるMelissa Chau氏はプレスリリースで述べている。「中国が成熟し始めても、インドなど他の新興市場には非常に大きな将来性が手付かずで残っている。2017年までにインドに出荷される携帯電話のうち、スマートフォンは半分に満たないと予測しているが、それでも同国は世界で3番目に大きい市場として台頭するだろう」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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