ニューヨーク発--ソニーが次世代のリビングルーム向けゲーム機を正式に発表したからには、今こそ、このプレスカンファレンスで発表されなかった重要な詳細について、推測を始めるべき時期だ。
たとえば、このシステムの名前が「PlayStation 4」で、ディスクベースとクラウドベースの両方のゲームが使えるようになること、さらには、新しいコントローラ(従来のソニー製ゲームパッドの改良版)に小さなタッチパネルが追加されることなどが分かっている。
またソニーが、発売の段階で(それがいつであっても)、「Killzone Shadow Fall」「Watch Dogs」「The Witness」を含む、さまざまな種類のゲームを推し進める計画であることも分かっている。そうしたソフトウェアの豊富さからは、ゲームとコンテンツを明確に重要視していることが分かるが、PlayStation 4ハードウェアとユーザーエクスペリエンスについての多くの重要な疑問については、答えが示されていない。
最近のコンソールの歴史をたどれば、PlayStation 4には2つの異なるバージョンがあると予想するのが賢明だ。ベーシックパッケージとデラックスパッケージの価格は、それぞれ429ドルと529ドルになるといううわさである。少なくとも、このうちの高価な方のパッケージには、より大容量の内蔵ストレージが搭載される。残念ながら最近では、新しい消費者向け電化製品はどんなものでも、数回に分けて発表が行われるのが普通だ。価格や発売時期の情報、スペック、その他の機能を、何カ月もかけて広めることで、ニュースメディアでの存在感を保つためである。
20年ほど前から続くゲーム機の標準的なリリースサイクルから大きく変わった点は、2013年の初頭に初めて目にしているこの新しいコンソールが、2013年のホリデーシーズン中に発売予定だということだ。「Wii U」から「Xbox 360」までのコンソールでは、E3ビデオゲーム見本市のようなイベントでデモか発表が行われるが、結局は1年後に同じハードウェアの完成に近いバージョンが登場するだけで、出荷の予定日はさらにその数カ月後というのが普通だった。今まで見たことのないゲーム機を年内に出荷することを約束したのは、スマートフォンやタブレット、ノートPCでの1年単位のアップグレードサイクルが、消費者の期待を一変させたということを真剣に受け止めているからだ。
ソニーがストリーミングゲームのプロバイダーであるGaikaiを2012年に買収したことで、PlayStationで新たにストリーミングゲームコンテンツを導入する土台ができた。ストリーミングゲームへの移行は先を見越した考えで、ゲーム全体をダウンロードするために必要な大容量のローカルストレージを減らせるだけでなく、物理的なゲームディスクの製造や輸送、保管の必要もなくなる。しかし、ソニーが説明した導入方法は、良く言っても両面作戦のように思える。Killzone Shadow FallやWatch Dogsのような新しい主要ゲームは、依然としてディスクで発売される予定であり、少なくとも今のところは、GaikaiのストリーミングテクノロジはPlayStationのオンラインストアでのゲームのインスタントデモにとどまっている。以前の「PlayStation 2」(PS2)や「PlayStation 3」(PS3)のゲームのストリーミングは、将来的な機能として可能性がある。
問題は、ソニーが新しいメインストリームの人気ゲームを、クラウドストリーミングダウンロードとして販売するのはいつになるのかということだ。
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