ジーエフケーマーケティングサービスジャパン(GfKジャパン)は、2012年の家電とIT市場の販売動向を発表した。家電全体では市場規模が7兆4800億円(前年比11%減)となり、2008年以前と同程度になったとしている。2008年以前の家電市場規模は7兆円台であったので、結果的にはエコポイント制度開始前の市場規模レベルに戻ったと見ることもできるとしている。販路ではインターネット通販が成長を続けており、市場全体の約1割弱を占める形となった。
製品ジャンル別では、エコポイント制度の終了の影響を受けた薄型テレビが数量前年比60%減の837万台と落ち込みを見せた。同様に2011年まで市場を拡大してきたBDレコーダーも同42%減の359万台という厳しい結果となった。こうした状況を受けてかテレビ売り場では液晶保護パネルや、オーディオ製品のラインアップを拡充。テレビと組み合わせられるスピーカシステム、サウンドバーは販売数量で前年の約1.4倍を記録した。
再生デバイスがスマートフォンへと移行するポータブルオーディオは、同20%減の519万台。しかし周辺機器であるヘッドホンは、ヘッドセット市場が前年から13%増となり、ヘッドホンの減少を相殺した形となった。加えてヘッドホン、ヘッドセットともに高単価モデルが伸びており、平均単価は上昇しているという。
Windows 8の登場もあり期待感の強まったPCだが、コンシューマ向けが数量前年比2%減の645万台と6年ぶりのマイナス成長となった。これはタブレット端末へのシフトが影響していると予想される。タイプ別ではノートPCは同1%減にとどまったが、デスクトップPCは同13%減と大きく落ち込んだ。Windowsは3年ぶりの刷新であったが、Windows 7と比較すると、立ち上がりはやや緩やかといえるだろう。
一方、法人向けは同7%増の538万台と堅調に推移。2014年にWindwos XPのサポートが終了するため、企業のリプレースが進んでいるようだ。
順調に拡大を続けるタブレット端末は2.2倍の300万台に達した。人気の画面サイズは7インチで、数量構成比28%。またWi-Fiモデルは同56%を占めている。
デジタルカメラ市場は、数量前年比6%減の897万台。落ち込みを見せたのはコンパクトカメラで同11%減となっている。伸長したレンズ交換式カメラはミラーレス一眼が同56%増の77万台と急拡大しており、市場を押し上げた。旧モデルの値頃感が増し、コンパクトカメラからのアップグレード需要などもあったため、金額ベースでは5年ぶりにプラス成長へと転じている。
スマートフォンの拡大が続く携帯電話市場全体は、数量は3783万台と前年並み。しかしスマートフォンは数量前年比63%増の2550万台を記録。携帯電話販売数に占める割合は前年の44%から67%へと拡大した。この背景にはスマートフォン市場が立ち上がってから2年が経ち、買い替え需要が進んだためと見られる。CPUコア数がデュアルコア以上の数量構成比は前年の25%から81%へ、LTE対応機はほとんどない状態から42%へ伸長した。
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