1年ちょっと前までは3D印刷と言えば、CESの会場であるLas Vegas Convention Centerの中でも地下フロアの小さなブースに展示される、新しくて風変わりな技術に過ぎなかった。しかし、Obama米大統領が米国時間2月12日の一般教書演説の中で米国内に雇用や製造業務を創出する方法を述べた際、この技術がAppleやIntelと同等に扱われた。以下がその原稿の抜粋である。
10年以上にわたって雇用が減っていたが、ここ3年間は我が国の製造業者が約50万の雇用を創出した。Caterpillarは日本から雇用を戻している。Fordはメキシコから仕事を持ち帰ってきた。中国などに生産拠点を置いていたIntelも、ここ国内に最先端の拠点をオープンする。そして2013年はAppleが米国で再びMacを生産し始める。
この傾向を加速させるために、われわれに今すぐできることはある。われわれは2012年、オハイオ州ヤングスタウンに最初の製造イノベーション推進機構を設けた。一度閉鎖した倉庫が今は最新鋭の研究所となり、あらゆるものの作り方を変える可能性を秘めた3D印刷を新しい労働者が習得している。ほかの街でもこのようなことが起きないとは限らない。
大統領が言及したのはNational Additive Manufacturing Innovation Institute(NAMII)のこと。NAMIIを知らない多くの人にとって、オハイオ州ヤングスタウンが3D印刷における革命の拠点になっていたとは初耳だっただろう。3D印刷は業界ではアディティブマニュファクチャリングとも呼ばれ、NAMIIはここ1年、さまざまなテーマのチェスセットを製造すること以外に3D印刷を押し広げるためのハブになろうと、大型の助成金を取り付けてきた。
BoeingやIBM、カーネギーメロン大学などの大企業や大学、非営利団体から成るコンソーシアムからの資金に加え、米国防総省はNAMIIを軌道に乗せるために3000万ドルを提供した。(3D印刷への興味をすでに示している)米航空宇宙局(NASA)や米国立科学財団(NSF)なども資金提供する予定だ。
NAMIIは2012年8月に正式に設立されたばかり。提携組織とともに同研究所が探求するプロジェクトの提案受付を1月末に締め切った。3月には第1弾の一連のプロジェクトが発表される予定だ。
NAMIIは、追求する可能性があるさまざまなプロジェクトに関する事前の情報を提供している。同組織が主催したイベントで、Sciakyというシカゴの会社が実世界での苛酷な使用に耐える部品を製造する技術を紹介した。ビデオでは、Sciakyがジェット戦闘機で使われるチタニウム製の大きな部品を作る様子が紹介されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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