勉強は必要に迫られてしなければならない場合と、興味がつきないからする場合がある。学校での勉強や資格取得のための勉強は、どちらかというと前者だろう。では強制されずとも勉強し続けられるその源となるものはいったいなんなのか。本書では難しいことを分かりやすく伝えることに定評のある池上彰氏が、学び続けることの意義と学び続けるための方法を説く。
前半には、学ぶことの楽しさや学生に教えることの楽しさがあふれている。池上氏が学ぶことによって、いかに生き生きとしているかが文章から感じられる。そのような楽しげな様子をかいま見るだけでこちらもやる気が出てくる。そして後半では、ノートの取り方、キーワードの拾い方、新しい分野の勉強を始めるときにすること、読書のしかたなど、勉強の技術を教えてくれる。小手先のテクニックではなく、それぞれに「なぜそうするのか」という理由がもちろんある。
第5章で語られる「教養(リベラルアーツ)」に関する考察は必読だ。なぜ教養を学ぶ必要があるのか、なぜ学び続ける必要があるのか、一つの答えがここにある。ただ漫然と生きるだけ働くだけではない、「自分」というものの存在意義について、深く考えさせられる。
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