NVIDIAの新型ゲーム機「Project SHIELD」が1月上旬に「International Consumer Electronics Show(CES)」で披露された。そして同社は今回、このポータブルゲーム機をCESに間に合わせるために行った取り組みを垣間見せてくれた。
NVIDIAのゲーム機であるProject SHIELDは、同社のクアッドコアプロセッサ「Tegra 4」を搭載しており、1回の充電で5~10時間プレイでき、任天堂の「Wii U」コントローラよりも小型となっている。そして同ゲーム機では、互換性のある「GeForce」グラフィックスカードを搭載したPC向けのゲームに加えて、クラウドに接続して「Android」向けのゲームや、同社のゲームストア「TegraZone」で配信しているゲームを楽しむことができる。発売された暁には、ユーザーは膨大な数のゲームタイトルをプレイできる可能性がある。
Androidをベースとするこのゲーム機はまだプロトタイプの段階であるものの、NVIDIAが純粋なプロセッサ製造企業からコンシューマーハードウェア企業への脱皮を図る先駆けとなっている。その過程については、同社のブログへの投稿で詳しく説明されている。
NVIDIAによると、最初のプロトタイプが完成したのは2012年のことであり、このプロトタイプは「スマートフォンとゲームコントローラを木材加工のように固定したもの」に過ぎなかった。NVIDIAの社内チームは同プロトタイプを出発点として、プロセッサやAndroidソフトウェアのインストールに先立ち、この小さなコントローラを改良し、洗練させていった。
Project SHIELDを他の製品と差別化することが重要だった。したがって、ゲームのエコシステムが制限的にならないようにし、また膨大な数のタイトルをプレイできるようにするために、Androidのオープンなプラットフォームが最適だと思われた。
しかし、NVIDIAによると、この秘密のプロジェクトに時間の壁が立ちはだかった。同デバイスをCESで発表するため、開発チームはテキサスと中国を行ったり来たりして、Andrew Bell氏の率いるプロジェクトをスケジュール通りに進めようと努めた。
12月までに2台のプロトタイプが完成したが、それには「痛い」不具合があった。残すところ19日となり、チーム一同はフライドチキンとプレッシャーとともに過ごし、モバイルプロセッサ「Tegra 4」のテストやはんだ付けを行った。CESで観衆を沸かせる製品を完成させるために長時間にわたって作業し、なんとか間に合わせたのだという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」