ソフトバンク、つながりやすさで念願の首位--孫社長「プラチナバンドの威力」

 ソフトバンクは1月31日、2013年3月期第3四半期(2012年4~12月)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比4.7%増の2兆5097億9000万円、営業利益は同12.6%増の6001億4800万円、経常利益は同19.3%増の5294億1900万円、純利益は同5.9%減の2353億6700万円となった。

  • ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏

 営業利益は8期連続で過去最高益となった。今回発表された2012年4~12月の9カ月間の営業利益は6000億円を突破したうえで、営業利益率はNTTドコモの21%、KDDIの15%を超える24%となった。同日の記者会見で登壇したソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、営業利益について「来期(2014年3月期通期)は8000億円の大台に乗る」と語り、営業利益で業界トップのNTTドコモと並ぶ見込みだと説明。「何を持っているかではなく、何を成すという決意をしているかがはるかに大事」と強調する。

 累計契約数は、2012年12月時点で4000万回線を超えた。同社は2010年10月に国内4000万契約を目標として掲げていたが、孫氏は「当時はまだ2千数百万回線だった。10年以内に4000万回線を突破すると目標を掲げたが2年とちょっとで達成した。もちろん飛び道具(ウィルコムやイー・アクセスの買収)を使ったということはあるが、結果的には超えた」と語る。

  • 営業利益は6000億円を突破

  • 競合2社との営業利益の比較

  • 競合2社との営業利益率の比較

  • 国内4000万回線を突破

  • 純増数は5年連続で首位

  • 競合2社とのARPUの比較

 純増数はNTTドコモの86万、KDDIの171万を超える237万となり5年連続で首位を維持。また、競合2社は下がり続けているARPU(1契約あたりの月間平均収入)も唯一増加傾向にある。孫氏は「純増数1位を維持しながら、ARPUも反転させた。言うのは簡単だが実行するのは大変難しい。しかし我々はこれを達成できた」と語り、来期はARPUでも首位を獲得したいと意気込む。

プラチナバンドで「つながるソフトバンク」へ

 ソフトバンクの長年の課題であった「ネットワーク」への取り組みについても語られた。孫氏は「ネットワークの満足度は“速度”と“接続率”で決まる」と説明。速度については、RBB TODAYをはじめとする複数の調査機関のデータを紹介し、最速地点数、平均速度ともに3社の中でトップになったとアピールする。

  • RBB TODAYが実施した全国速度調査

  • 最速地点数と速度ともにソフトバンクが首位

  • 第三者機関によるLTE調査

 接続率については、3月に1万6000局を目標としていたプラチナバンド(900MHz帯)基地局の建設を2カ月前倒しで達成。これにより、音声接続率とデータ接続率が大幅に改善されたという。まず、音声接続率についてはあらかじめ了承を得た各キャリアのユーザーに月間13万件にわたり発信をして調査。その結果、接続率はNTTドコモの98.3%、KDDIの98.0%を超える98.4%となり、初の首位に輝いた。

 データ接続率の調査には、子会社のヤフーが提供する「防災速報アプリ」を活用。このアプリでは、ユーザーの移動時の電波状況を常時チェックしているという。そこで、約3万ユーザー(ソフトバンク:8000人、NTTドコモ:1万5000人、KDDI:5000人)の月間3000万件規模のデータ通信ログ(個人情報除く)を解析した。その結果、データ接続率でもNTTドコモの96.9%、KDDIの95.9%を超える97.3%で首位になったという。

  • プラチナバンド(900MHz帯)の基地局数

  • 音声接続率の調査方法

  • 音声接続率でソフトバンクが首位に

  • データ接続率の調査方法

  • データ接続率でもソフトバンクが首位に

  • 各地域におけるデータ接続率

 孫氏は、この結果について「私の錯覚かもしれないし一時的かもしれない。しかし、少なくとも完全に最下位の状況から他社ともつれ合う、あるいは抜くという状況になった。プラチナバンドの威力は我々が想像した以上にすごかった」と喜びを語る。また、今後も基地局の増設を前倒しすると説明し、2015年3月にはこの数を3万6000局まで拡大したいとした。

 これらの取り組みに加えて、来期は2012年に買収を発表した米スプリントとのシナジーを高めることで競争力を強化する。具体的には、スマートフォン販売台数で日米3位となったスケールメリットを生かして端末調達力を高めるほか、ウィルコムなどで実現した利益のV字回復のノウハウをスプリントにも根付かせることで、同社の利益率を反転させたいとしている。

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