KDDIは1月28日、2013年3月期第3四半期(2012年4月~12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比2.5%増の2兆7105億7700万円、営業利益は同3.0%増の3955億7300万円、経常利益は同8.0%増の3939億5500万円、純利益は同7.3%減の1802億4700万円で、第3四半期(10~12月)のみの営業利益は前年同期比40%増の1643億円となった。
第3四半期は、スマートフォンシフトにともないLTE端末の販売収入が増加したほか、FTTHサービスの収入増によって通信料収入が増加した。純利益については、2012年7月の旧800MHz帯設備の停止にともない特別損失を計上したことで減少した。
指定の固定通信サービスに契約することで最大2年間にわたりスマートフォンの月額料金を1480円割引く「auスマートバリュー」が好調で、2012年12月末時点でau契約数が285万、固定(世帯)契約数が166万となった。同社によれば第3四半期のスマートフォン新規契約のうち33%が、auひかり新規契約のうち48%がauスマートバリューに契約しているという。
また、月額390円で500本以上のアプリや、クーポン、ストレージなどのサービスを利用できる「auスマートパス」の契約者数も1月初旬に400万会員を突破。スマートフォン購入者の83%が契約しており、ARPU(1契約あたりの月間平均収入)の底上げにも大きく貢献しているという。今後は「ビデオパス」や「うたパス」などとの連携も強めていく。
MNP純増数(第1~第3四半期の累計)は、前年同期と比べて9倍以上に増加しており、2011年10月から15カ月連続で首位を獲得。au純増数(第1~第3四半期の累計)も前年同期比で32%増となった。さらに解約率もソフトバンクモバイルの1.06%、NTTドコモの0.79%を下回る0.58%となり、業界最低水準を維持しているとアピールした。
KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、これらの実績から通期目標である営業利益5000億円については「確実に上回る見通し」と語り「来期以降は本格的な利益拡大フェーズに入る」と自信を見せる。
また一部では「iPhone 5」の売れ行きが伸び悩んでいるとの見方もあるが、これについては「我々としては決してiPhoneの売れ行きが止まっているという感覚はない。発売当初はiPhoneの(販売台数に占める)割合が5割を超えており、あまりにも好調すぎた。それが通常に戻ったと見ている」と説明した。
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