Microsoftは米国時間1月30日、同社の開発ツールスイート「Visual Studio」およびアプリケーションライフサイクル管理テクノロジ「Team Foundation Server」(TFS)に、「Git」へのサポートを追加するというロードマップを発表した。
不可能だと思っていたことが現実になる兆しだ。いや、違うかもしれない。Gitプロジェクトのホスティングや管理に多用されているオープンソースのコードリポジトリ「GitHub」を使うプロジェクトが、Microsoftにおいてもゆっくりであるが確実に増えてきている。
MicrosoftのテクニカルフェローでありTFSのチーフであるBrian Harry氏は同日、「ALM Summit」でGitのサポートを発表した。
Harry氏をはじめとするMicrosoftの関係者は今回の発表が、自社のバージョン管理ツールを放棄するという意味ではない点を強調している。そうではなく、MicrosoftはGitを同社の分散ソースコード管理プラットフォームとしてサポートするとともに、TFSを集中型のソースコード管理ソリューションとして引き続き推進していくという。
Harry氏は同社ブログへの新たな投稿の中で「今回の発表は唐突だと思われるかもしれないが、ここに至るまでに長い時間をかけてきている。われわれがTFSでDVCS(分散バージョン管理システム)をサポートすることについての検討を開始したのは1年以上前である。(中略)数カ月かけた調査の結果、(『TFS 2012』の開発中に)Gitの採用が適切なアプローチだという結論に達した」と述べている。
Harry氏は、この提案を最初に聞かされた同氏のチームの反応が「賛否入り交じったものだった」ということを認めている。
同氏はブログで「確かに、『より優れたDVCSシステムを構築』したい、あるいはDVCSのワークフローを既存の実装に統合したいという者が多かった。また、オープンソースであることや、『管理』の欠如という問題に懸念を抱く者たちもいた。しかし、検討すればするほど、最も適切な選択肢だと思うようになった」と記している。
また同氏は、「Windows開発者にとってGitの使用感は、他のプラットフォーム向けのものほどフレンドリーではなかった」という理由から、Microsoftは独自のソリューションを構築するという選択肢を真剣に検討したと述べている。しかし、同氏のチームは追いつくために努力するのではなく、Gitを採用すると決断した。
Microsoftはオープンソースのライブラリ「libgit2」に積極的に貢献してきている。Harry氏によると、同社では複数のエンジニアがフルタイムで、このライブラリに貢献するための開発を行っているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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