スマホとタブレットの切り替え操作は必要なく、本体の着脱のみで自動的に切り替わる。設定次第でアプリの動作をそのまま引き継ぐこともできる。
画面解像度だけ見れば、本体の1280×768ドットと、PadFone 2 Stationの1280×800ドットとではほとんど違いはない。PadFone 2 Station装着時はホームボタンなどが物理キーでなくなり画面内に配置されることを考えると、解像度はイコールと言っても良いだろう。
しかし、4.7型と10.1型の違いははっきりとしており、同じウェブサイトを閲覧した印象は大きく異なる。4.7型画面でPC向けページを表示させると細かすぎて拡大しないと読みにくいが、10.1型画面では全く問題なく閲覧できる。
ふだんは10.1型画面でゆったりと閲覧し、外出が必要なときだけ本体を持って歩く。しかも同じページを表示したままで持ち出せる。Chromeのブラウザ同期機能を使えば、スマートフォンとタブレットの両方でブックマークや履歴の共有はできるものの、1台で済ませるものとは操作性や閲覧の継続性は大きく異なる。これがPadFone 2の大きな魅力のひとつだろう。
また、一部のスマートフォン向けのページが用意されているサイトでは、本体で閲覧すると標準でスマートフォン向けサイトのページ、PadFone 2 Stationに装着するとPC向けサイトのページを自動的に切り替えて表示してくれる。現在、この記事を見ているCNETのトップページもPadFone 2で見れば自動的に切り替わる。
PadFone 2 Station装着時のメリットは画面の大型化だけではない。PadFone 2 Stationにはバッテリも入っており、本体の2140mAhに加えて、PadFone 2 Stationの5000mAhのバッテリが利用できる。
充電は付属の専用電源アダプターと独自形状のUSBケーブルで行う。PadFone 2 Stationに本体を装着していれば、PadFone 2 Stationと本体のどちらも充電される。試しに一般的なmicroUSBケーブルでPCと接続を試みると、PadFone 2 Stationは充電されないものの、本体のみでは充電が行われ、撮影データの取り出しなど、PCとデータのやりとりも可能だった。
バッテリ運用で面白いのは、バッテリ充電の優先順位が付けられること。PadFone 2 Stationのバッテリかまたは両者をバランスよく充電していくかの設定ができる。バッテリの使い方は人によってさまざまなので、これはうれしい設定だ。さらに、PadFone 2 Stationから本体への充電も選択できる。
PadFone 2はSIMフリー機だ。事業者を選ばず使えるという記載はあるものの、具体的にスマートフォンとして利用する場合は、日本では技術的仕様が合致したNTTドコモかソフトバンクとなる。事業者独自のメールなどは原則、利用できない。
ドコモはFOMA契約でもXi契約でもSIMのサイズ(microSIM)が合えば今のスマートフォンからSIMの差し替えで3Gの通話が可能だ。通信に必要な手続きとしてはプロバイダーとして「mopera U スタンダード」を申し込むことぐらいだ。料金面ではFOMA契約だとパケット上限が高くなってしまうが、Xi契約なら上限はそのまま。ただしPadFone 2が対応していないためLTEの通信はできない。
問題となるとすれば、FOMAプラスエリアに対応しないことで、地域によっては現在のドコモの携帯電話よりも利用できるエリアが狭まる可能性がある。
また、ソフトバンクには関しては、SIMフリー機といえども契約回線によっては使えないこともある。具体的にはiPhone、iPad、4G(AXGP)契約の回線が該当する。APNの設定も「アクセスインターネットプラス」の専用の設定でないとパケット定額にならないなど細かな条件がある。
MVNOである日本通信のb-mobileやIIJのIIJmioはドコモの回線を使っているが、一部機能に制限がある場合がある。これらの回線を利用する際は、事前に対応状況を確認してからのほうがよいだろう。
なお、通常のスマートフォンとしてインターネットとの通信が可能な状態になっていれば、テザリングも利用できる。ドコモのspモード対応スマートフォンとは異なり、テザリング利用時に通信できるプロトコルに制限が加わったりということもない。
今までASUSのスマートフォンは国内に導入されていなかったが、ASUSはこれまでPCやタブレットを多く手がけ、Google Nexus 7の製造メーカーでもあることから、安定した品質のスマートフォンやタブレットを供給する能力はあると判断でき、品質的に心配はないと思われる。
しかし、問題は価格。PadFone 2の価格はセットで7万9800円。回線契約があれば毎月のサポートなどで本体価格が実質的に大幅に割り引かれる一般的なスマートフォンに比べれば、出費は高めとなる。
それでも1台分のランニングコストで2台分楽しめるほか、通信事業者のアプリの多さにうんざりしている人や、素のAndorid機を楽しみたい人はとても良い選択肢。しかも最新のクアッドコアCPUを搭載、Androidのバージョンも4.1。合体でタブレットにも変形してしまうとなれば、コストパフォーマンスの高い端末と言えるのではないだろうか。
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