アップル第1四半期決算に対する反応--ウォール街とシリコンバレーの解釈の違いを考える - (page 2)

Ben Parr (Special to CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年01月30日 07時30分
  • 「そのようなわけで、投資家が逃げ出す原因になるようなことは何一つないと私は考えている。その代わりに、より大きくて漠然とした懸念が存在する。Appleは『壁にぶつかった』、または『魔法』を失ったと人々が話し始めるとき、彼らが言わんとしているのは、同社に何らかの深い虚脱状態、すなわち、同社をこれほどの長きにわたって非凡な存在にしてきた情熱と革新が失われた状態が発生しているのではないかと危惧している、ということだ。この主張を裏付けるデータはない。今期の決算にそれを支持するデータは全くない。それは、Steve Jobs氏の死によって誘発され、Appleに関してほんの少し否定的な話を耳にすることによって強まっていく、初期段階の恐怖感にすぎない」(Farhad Manjoo氏

 テクノロジコミュニティーはウォール街に不満を抱いている、と言うのは控えめな表現だろう。しかし実を言うと、Appleの株価の短期的な下落には一定の道理がある。

 1月24日午前にTwitterストリームを確認したところ、Apple株の動向に困惑した非常に多くのテクノロジ関係者が投稿していた。業績か勢いか。

 ウォール街のことを理解できないAppleファンは、最上列の中央の図表を見るとよい。

 ほかのあらゆる市場と同じように、株式市場も人々によって構成されている、ということを皆は忘れているようだ。人々の感情的な気まぐれによって変動が起こる。その変動について、ある人は合理的と考え、ある人は狂気の沙汰だと考える。新興企業に対するわれわれの評価の一部について、ウォール街は完全な狂気の沙汰だと考えているかもしれないのだ。株式市場に投資する際、筆者がテクニカル分析派の考えに忠実なのはそのためだ。

 おそらく、AppleやFacebook、テクノロジコミュニティーがウォール街というジェットコースターに乗ったことが原因で、最終的な新規株式公開(IPO)を目指す代わりに、株式を公開しないテクノロジ企業が増えるのではないだろうか。Mark Zuckerberg氏はまさにこれらのことが理由で、FacebookのIPOを望まなかった。そして、ほかの企業はIPOを先延ばしにする方法を見つけている

 Appleの決算をめぐるこうした騒ぎが筆者に教えてくれるのは、単にシリコンバレーとウォール街は異なる考えを持っている、ということだ。実際のところ、両者の考えは同じ惑星の住人とは思えないほど異なっている。ウォール街の人々は火星から、シリコンバレーの人々は金星からやってきたのだ。

 筆者の見解は次の通りだ。規模の大小に関係なく、あらゆる市場が不合理であるのは当然のことだ。なぜなら、市場は単純に不合理な人間の集まりだからだ。不合理という罪を犯していない人や、それに対して免疫を持つ人はいない。ウォール街で投資する前には、あるいは新興企業に投資する前には、そのことを思い出してほしい

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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