KDDIとフランスのTotal Immersionは1月17日、商品パッケージやカタログを活用した、AR(拡張現実)情報表示サービスのトライアルを順次開始することを発表した。トライアル期間は1月17日~5月末まで。当初は16の参画企業・団体と連携してサービスを提供する。
トライアルではARアプリ「SATCH VIEWER」の「画像検索」機能を使って、商品やカタログ、ポスターにスマートフォンのカメラをかざすことで、関連するCM動画や情報サイトへとアクセスしたり、商品を購入したりできる。
KDDI研究所が開発した大規模画像検索技術を採用しており、最大約10万件の画像データベースの中から1~2秒で画像を特定できる。この技術はニッセンの提供するARカメラ「カタログカメラ」にも採用され、2013年度のニッセンカタログ全ページの商品情報の取得や購入に利用できるという。
また、同日よりスマートフォンやタブレットのカメラごしに家具のレイアウトを体験できるARアプリの開発を支援するソリューション「TryLive Home(トライライブ ホーム)」の提供を開始。第一弾として、バルスが展開するインテリア・雑貨専門店「Francfranc」の商品レイアウトを自宅やオフィスで楽しめるようになる。
KDDIはARの浸透を目的とした新ブランド「SATCH(サッチ)」を2011年12月に設立。モバイル向けARソフトウェア開発キット「SATCH SDK」を無償で配布したり、SATCH SDKで開発されたARアプリを紹介するポータル機能を搭載するアプリ「SATCH VIEWER」を提供するなどして、技術の標準化やユーザー層の拡大に努めてきた。
こういった取り組みによって、ARソリューションの開発者は約1年で2500以上に増加。SATCH VIEWERに掲載されているアプリも40種類を超えている。ただし、これらのアプリはキャンペーンの域を越えておらず、一般消費者の日常生活にまで浸透しているとは言い難いのが現状だという。
KDDI 新規事業統括本部 新規ビジネス推進本部長の雨宮俊武氏は、今回のトライアルなどを通じてARが日常的に利用される世界を作っていきたいと語る。「開発者やコンシューマーに対していろいろな推進をしてきたが、これらをさらに踏み込み日常化へ持っていきたい。医療分野、自動車、広告ポスター、食品、カタログなど、さまざまな生活の中に新たな体験を与えたい」(雨宮氏)
同社ではARの日常化に向けた取り組みとして、今後も企業向けにARソリューションの開発ツールを提供するほか、自社のAR技術をさらに強化していきたいとしている。
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