携帯電話に搭載される「Ubuntu Linux」、すなわち「Ubuntu for phones」がどういったものになるのかについて、多くの混乱が見受けられる。本記事ではそういった混乱を解消できるよう、いくつかの疑問に対する答えを提示する。
以下は、Ubuntu for phonesの現在の姿について知っておくべきことである。
CanonicalはUbuntu Linuxをスマートフォンに搭載しようとしているものの、その本当に意味するところは何なのだろうか?筆者はこれに関する数多くの混乱を目にしてきている。こういった混乱は、Linuxやスマートフォン関係の他のプロフェッショナルの間でさえも見受けられる。このため、Ubuntu for phonesに関するあれこれを本記事で簡単にまとめてみることにした。
まずはこの点を押さえてほしい。Canonicalはスマートフォン向けのUbuntuを近々リリースする予定であるものの、MicrosoftのARM搭載機器向け「Windows RT」やスマートフォン向け「Windows Phone 8」とは異なり、各デバイス向けに違ったバージョンをリリースしようとはしていない。2014年4月に予定通り「Ubuntu 14.04」がリリースされた暁には、単一のUbuntuイメージでスマートフォンやスマートTV、コンピュータをサポートできるようになる。
Ubuntuの創始者であるMark Shuttleworth氏は米国時間1月2日、Ubuntu for phonesが早ければ2013年の遅くか2014年に登場すると記者会見において発表した。なお筆者は、2014年になるだろうと予想している。
誤解しないでもらいたい。このテクノロジが実現されることは間違いない。問題は、通信キャリアに採用してもらえるかどうかという点にある。
実際、Shuttleworth氏は、Ubuntuでは「通信キャリア自身のコンテンツが提供できるようになるとともに、それらコンテンツはエコシステムからのものと同じ扱いとなる。このため携帯電話メーカー、あるいは楽曲や映画、その他のコンテンツを提供する事業者は、自らのユーザーやその他のユーザーに対して、後付けや副次物のように感じられない方法で直接、自らのコンテンツの普及を促進できるようになる」と述べている。そして、それはそれで素晴らしい話であるとはいえ、Canonicalは以前にもハードウェアパートナーについて語ったことがあるものの、実際にはそういったパートナーはまだ現れていない。
大手の通信キャリアやスマートフォンベンダーが実際にUbuntu for phonesの採用を発表した暁には、携帯電話の世界におけるUbuntuの将来性について筆者は今よりもずっと安心できるようになるだろう。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」