Appleが廉価版「iPhone」を発表するかどうかという謎に、新たな展開があった。
通信社のReutersは米国時間1月11日朝、AppleのPhil Schiller氏が中国で行ったとされる発言を裏付ける10日付けの記事をひそかに取り下げた。この記事が基づいていたのはShanghai Evening Newsの報道だったが、その内容が「大幅な内容変更を受けて更新された」ことをReutersは代わりに投稿された短い文章で非常に簡単に述べた。
Reutersは米国太平洋時間午前11時30分、Shanghai Evening Newsによるインタビューの「改訂版」を今度は引用して同記事を再掲載した。Reutersによると、この改訂版の内容は次の通りである。
・・・「低価格なローエンド製品」について言及した部分を除いて、低価格なスマートフォンに触れた文言がすべて削除された。また、「Appleは市場シェアの拡大のために低価格なスマートフォンの発売に踏み切ることはない」となっていた元の見出しが、「Appleは最良の製品を提供したいと考えており、やみくもに市場シェアを追求することはない」という文面に変更された。
元のSchiller氏のコメントが同氏自身によるものなのかどうか、あるいはShanghai Evening Newsが文脈を無視して同氏の発言を引用したものなのかどうかは不明だ。
Reutersはさらに、AppleがShanghai Evening Newsに「元記事の修正について」コメントを求めたことを明らかにした。Appleはインタビューが行われたことを確認したが、それ以上のコメントは明らかにせず、発言内容の提供も拒否したという。
米CNETは10日、The Next Webの記事を引き合いにして、Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントであるSchiller氏がShanghai Evening Newsとのインタビューで述べたとされる次の発言内容を報じていた。「安価なスマートフォンの人気は高まっているが、将来のApple製品の中にそれが登場することは決してない。実際、スマートフォン市場におけるAppleのシェアはわずか20%ほどであるにもかかわらず、利益のシェアでは75%を獲得している」
Reutersによって最初に報じられたコメントと改訂されたコメントには、微妙だが重要な違いがある。10日の記事でSchiller氏は、廉価版iPhoneの見通しを強く否定していると思われた(「将来のApple製品の中にそれが登場することは決してない」や「Appleは市場シェアの拡大のために低価格なスマートフォンの発売に踏み切ることはない」)。しかし、Reutersが11日に更新した記事では、同氏の発言が直接的な答えを少し避けるようなものに変わっているようだ(Appleは「最良の製品」を提供することを目指しており、「やみくもに市場シェアを追求することはない」)。注意したいのは、「最良の製品を提供するが、やみくもに追及はしない」という部分である。
すなわち、行間を読むとするならば、Appleは実際には将来、ち密な流通計画において優れた設計のローエンドiPhoneであると同社が認める製品を躊躇することなく発表する可能性があるということだ。Appleは長い間、小型版「iPad」をリリースするという考えを否定するような態度を取っていたことに留意しておいた方がよい。これは、同社が「iPad mini」を2012年に発表するまで続いていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」