「BCM7445」という製品名は何の変哲もないものに思える。しかし、あなたがより高品質なビデオを求めているのであれば、このBroadcom製チップの素晴らしさを理解できるはずだ。
米国時間1月8日に「International Consumer Electronics Show(CES)」で発表された同チップは、インターネットに接続されたビデオ機器向けに設計されており、その素晴らしさはH.265やMPEG-5、High Efficiency Video Coding(HEVC)といったさまざまな名前で呼ばれている新たな動画圧縮技術をサポートした先駆けのチップであるという点にある。この動画圧縮技術は、広く普及しているH.264(AVCやMPEG-4 Part 10とも呼ばれている)の後継に当たるものだ。
H.265には2つの重要な特長がある。第1の特長は、H.264と同等の品質を半分のネットワーク帯域幅で実現できる、すなわち理論的にはデータ転送速度が同じである場合にストリーミングビデオの品質が向上する、あるいはネットワーク利用を低減しつつこれまでと同じ品質のビデオを転送できるというものである。第2の特長はより大きなディスプレイ向けとして画面のピクセル数を4倍にしたUltraHD(4K解像度とも呼ばれている)ビデオをサポートしているというものだ。
Broadcomによると、同チップは4096×2160ピクセルという解像度で毎秒60フレームの動画を処理できるという。なお、従来のHDTVの解像度は1920×1080ピクセルとなっている。
ARMベースのこのクアッドコアプロセッサは、アプリケーションを実行したり、ギガビットネットワークを取り扱ったり、同時に4つのビデオストリームをデコードすることもできる。Broadcomは、28ナノメートルプロセスを採用して製造する同チップの価格について明らかにしていない。
現在、特定顧客に向けて同チップのサンプル提供が開始されているものの、量産の開始は2014年になるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス