ラスベガス発--世界の多くの携帯電話にプロセッサを供給しているQualcommが米国時間1月7日、モバイルチップの新ファミリ2種を発表した。前身のモデルより性能が最大75%向上している。
「Snapdragon 600」および「Snapdragon 800」シリーズは、高機能なモバイル端末やコンピューティング端末を意識した製品。最上位のチップである800シリーズは、最大150Mbpsの速度を誇るQualcomm最新の4G LTE技術を装備する。前世代のデータ速度である最大35Mbpsから大幅に向上している。
また両シリーズとも、モバイルWi-Fi接続の最新の規格である802.11acに対応する。
Qualcommの最高経営責任者(CEO)Paul Jacobs氏は当地で開催中の2013 International CESの基調講演で、これらのプロセッサを披露した。2012年を最後にすると発表するまでMicrosoftが使用してきた講演枠をJacobs氏が引き継いだ格好だ。Jacobs氏が基調講演の登壇者に選ばれたことは、家電業界でモバイルの重要性が増していることの表れでもある。
これまで基調講演をしてきたMicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏も姿を見せ、両社の提携について話をした。
Qualcommはエレクトロニクス製品の頭脳として働くアプリケーションプロセッサを提供し、モバイル端末の無線ネットワーク接続に使用するチップの供給では市場をリードしている。中でも4G LTEプロセッサは最近注目され、「iPhone 5」などの端末で採用されている。しかし、競合製品が市場に投入されるとともに、4G LTEをめぐる競争は熾烈化すると思われる。
最高マーケティング責任者(CMO)のAnand Chandrasekher氏は、Qualcommでは3世代目となる4G LTEチップをすでに発表しているにもかかわらず、多くの競合はまだ最初の製品すら出荷していないと述べる。
その一方で、同社はWindows RTの発売以来、従来のPC向けの取り組みを始めている。Windows RTは、IntelやAdvanced Micro Devicesのx86チップではなく、QualcommなどのARMアーキテクチャのチップで動く初めてのOSである。
800シリーズのプロセッサは、「LG Optimus G」などに使用される、現行の同社最上位製品から性能が75%向上している。一方の600シリーズは従来のチップより性能が40%改善している。
両シリーズとも前モデルと同様にクアッドコアだが、「Krait」という開発コードの新CPUを初めて搭載する。
800シリーズは現在、サンプル品が顧客企業に提供されている状態で、2013年中旬には商用の端末に搭載されると思われる。600シリーズを採用した端末は2013年第2四半期にも登場すると期待される。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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