10月26日に発売されたWindows 8。タブレット端末を念頭に置いた仕様で、PC世代の筆者としては、スタートメニューが使いづらくて仕方がないのだが、今後は各種ソフトも、モバイル機器を念頭に作られるようになり、そのうちPC派はガラパゴスとでも呼ばれるようになるのだろう。
2011年、販売数では、世界的にすでにスマートフォンがPCを超えており、ソフトメーカーのこうした対応も市場の動きを反映したものといえる(参考URL)。
さらに、2014年には、世界的にモバイル利用者数がデスクトップ利用者数を超えるとも予測されている。すでに携帯電話からのネットアクセスがPCを上回っている国は少なくないが、特にアジアやアフリカでは、PCの普及度が低い分、携帯によるウェブ利用の伸びが著しい。
新興国の多くでは、ネットにアクセスするのにモバイルしか使わないというユーザーが多く、モバイルネット利用者における割合は、ナイジェリアで56%、ケニヤで51%、インドネシアでは42%にのぼる(参考URL)。
そして、その大半が25歳未満である。なお、新興国のモバイルのみ利用者の多くがフィーチャーフォンを利用。ナイジェリアやインドネシアでは9割以上だ。一方、米国では、携帯しか使わないという携帯ネット利用者は31%で、大卒未満、低所得者層が多い。
下記の図を見ると、相対的に所得が低い国ほどモバイルのみの利用度が高いことがわかる。
インドに至っては、民家のトイレの数よりも、携帯電話の数の方が多いという。携帯所有者は9億人を超え、全人口の75%に達しているにもかかわらず(地方在住者でも54%が所有)、自宅にトイレのある人口は6億人と、全人口の半数に過ぎない。
シンガポール、マレーシア、タイでは、携帯普及率は100%を超えており(つまり、1人に1台以上)、フィリピンで99%、インドネシアが92%で、アメリカより高い。携帯電話のうちスマートフォンが占める率は、シンガポールで73%、マレーシア27%、インドネシアとフィリピンが20%だ。
なお、サウジアラビアやアラブ首長国連邦では、スマートフォンの浸透率が、全人口の60%に達している(参考URL)。
筆者は毎年、東南アジアに旅行するが、当然のように皆、携帯電話を所有しており、飛行機のチェックイン時には、回りでカチカチやっている。エアアジアなどの格安航空会社は、オンラインでなく、カウンターでチェックインすると追加料金を徴収されるからだ。
ペナンのバスではWi-Fiが無料で提供されており、車内では、若い乗客の大半がスマートフォンに夢中だ。マレーシアでは、スマートフォン購入・サービス加入時に、最低でも2万円ほどかかる。
給料は、経験1~2年の大卒で月5万円ほど、高卒であれば月2万円ほどだ。給料の半月から1カ月分もするものをどうやって買うのかと思うのだが、地元の若者に聞くと「最新のスマートフォンを持つというのは、マレーシアではファッションステートメント。持ってないとバカにされる。食費、その他を切り詰めてでも買う」とのことだ。ローンで買う人もいるようだ。
中国でも2012年に入り、携帯からネットにアクセスするユーザ数がPCを初めて上回ったが、スマートフォン利用者の半数以上が「スマートフォンをあきらめるくらいならテレビをあきらめる」という。日本でも、ボーナスが出たらテレビよりスマートフォンを買う、という人が増えているが、モバイルへの移行は着実にかつ世界的に進んでいるのである。
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