では比較のために、5.5インチディスプレイのGALAXY Note IIと並べてみよう。大きいと言われているNote IIですら小さく見えてしまうのがわかるだろうか?見た目以上に存在感がある6インチスマホ、まだ大手メーカーが手がけていない製品をトンデモメーカーたちが続々と製品化しているのである。ディスプレイの解像度もそれほど高くはないが、「大きく見える」ってのはなかなかイイぞ!
背面のバッテリカバーの表面はつや消しで、滑り止め加工された上品なものだ。カメラはさすがにスマホだけあってかメガピクセル級のものを搭載らしい。また下部には「Android」のプレートが見えるが、中国の販売店では「好きなメーカーある?何種類かあるよ」とのこと。ここに勝手に大手メーカーの名前のプレートに入れ替えて売ることもあるようだ。製品がまともなのに売る店がこれでは、いつまでたってもトンデモケータイ、いやトンデモスマホからの脱却は無理だろう。
バッテリカバーをはずし、バッテリを取り出すとSIMカードスロットが2枚見える。中国ではスマホでさえもデュアルSIM仕様は当たり前になっているのだ。しかも片側はW-CDMAに対応し、高速なデータ通信もできる。そーいや3G対応のトンデモケータイってのは結局出てこなかったなぁ。トンデモスマホも初期製品こそGSMデュアルSIMのものばかりだったけど、最近はほとんどが3Gと2Gの両対応になっているのだ。
大きいバッテリは2600mAh。重量からしてほぼこの容量がありそうだ。そしてバッテリの種類は、えーとなになに、Lipolyme Batteryだとぉ?さすが大画面スマホに搭載するバッテリだけに軽量で大容量化ができるという最新のリチウムポリマーバッテリを惜しげもなく投入しているのかっ!と思ったけど、これフツーのリチウムイオンバッテリなんだよね。まぁ作った側も最新製品を意識してこんなことやっているんだろうけど、これを買うお客さんのほとんどはこの表記を見ても何も気がつかないだろう。
てなことで気を取り直してバッテリを装着、電源を入れてみることにしよう。Androidのマスコット、ドロイド君がロケットで飛んでいるアニメが出てくるのは他社のトンデモスマホでもよく見かけるもの。このあたり同じプラットフォームを使えば起動アニメも代わり映えしないのかも。
そして起動してみれば、ディスプレイの文字もくっきりと表示されなかなか悪くない。設定画面を見てみると、なんと日本語ロケールが標準で入っている。まぁAndroidスマホは後からアプリを入れて日本語化なども可能なのだが、最初から入っているのはありがたいことである。メニューなどももちろん日本語化される。
また数年前から日本でも輸入品が販売されている中国製のタブレット、いわゆる「中華パッド」はGoogleサービスに対応していないものが多いが、このi9977はGoogleアカウント登録が可能、Google PlayもプリインストールされているのでGmailを使ったりアプリを落とすことも可能だ。
なお端末情報を見るとOSはAndroid 4.04。ちなみにプラットフォームはMTK6577で、CPUはDual Core 1.2GHz。さすがにこのあたりはトンデモケータイみたいな大嘘ではなく本当の数値だ(笑)。しかしまぁこんなクラスの製品ですらトンデモメーカーが作れるわけである。
これまで紹介してきたトンデモケータイって、使う使わない以前の部分で勝負した製品ばかりであった。すなわち見た目であったりギミックであったり、あるいは使わない機能だったり。だがトンデモスマホは困ったことに「ちゃんと使える」レベルの製品が次々と出てきているのだ。
i9977の価格は日本円で1万5000円ほど。数年前なら実用性のないトンデモケータイと同じ値段でスマホが買えるだなんて、時代も大きく変わったものである。もちろん大手メーカーの最新ハイエンド製品にはスペックでかなわないだろうが、i9977でも普段使いは問題なさそうだ。どこかの企業が技術基準適合証明を受けて、このまま日本で発売してもいいかもしれない。
さて、今後この大画面トンデモスマホはどう進化していくのだろう?いずれ6.2インチ、6.5インチと大型化していくだろうが、7インチになったらそれはタブレットになってしまう(笑)。ということはディスプレイの大型化で優位に立てるのもあとわずかな時間のみであり、正規メーカーにはない差別化した機能やデザインを考える必要があるわけだ。そしてそんな中からさらに「トンデモナイ」スマホが登場してくるのではないだろうか?今後の新製品を楽しみにしたいものである。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来