「A picture's worth a thousand words(1枚の絵は1000語に匹敵する=百聞は一見にしかず)」というのは、何度となく聞かされてきたことわざだ。
少なくともオフラインでは当てはまるこのことわざが、オンラインでは当てはまらないと思うなら、デジタル世界の領地争いで繰り広げられている一触即発の駆け引きに注意を払ってこなかったということだ。その争いはシリコンバレーでここ1年ほど起こっている。
InstagramとTwitterの間で起こっている中々進まない消耗戦で、最も新しい駆け引きをめぐり、現在、テクノロジ業界全体の緊張が高まっている。Instagramは、「Twitter Cards」との連携を停止することで、InstagramユーザーをTwitterから引き離したいと考えている。
これはとてつもない出来事である。特にそう言えるのは、非常に多くの人々がますます高品質になったスマートフォンのカメラで撮影した写真をインターネットに大量に送り込んでいるからだ。2012年夏にページクラシファイアのDiffbotが実施した調査によると、Twitter上で共有されているすべてのリンクの36%が写真へのリンクであり、その割合は日ごとに確実に増加しているという。Diffbotの調査でさらに顕著だったのは、その40%がTwitterにホストされている写真で、Instagramへのリンクは15%にすぎないということだ。
ほんの数年前は、デジタルオートフォーカスと自動露出を備えたデジタルカメラの価格が下がったにもかかわらず、こうした写真共有サービスをめぐる激しい競争の進みはゆっくりとしたものだった。しかし、Appleがカメラを「iPhone」に欠かせない要素とし、「Android」搭載スマートフォンもそれに続いた。そして同じころにInstagramが現れ、あらゆる人を驚かせた。それにはFacebookでさえ不意をつかれた。Mark Zuckerberg氏の支配的なソーシャルネットワークであるFacebookには、ウェブ向けに作られていて、モバイルへの対応に苦労しているという弱点があったからだ。Facebookは写真をユーザーエクスペリエンスの重要な要素にしたいと考えていたが、突然、iPhoneユーザーは皆Instagramを使うようになったのである。
Twitterも、モバイルを中心としたサービスでありながら、やはり不意を突かれた。Twitterユーザーは熱心にたくさんの写真を共有していたが、エクスペリエンスは後回しになっているように思えた。Instagramはそうしたことをすべて変えてしまった。TwitterはInstagramを買収したいと考えたが、うまくいかなかった。そしてFacebookが買収し、Instagramの最高経営責任者(CEO)であるKevin Systrom氏とそのチームを手に入れてしまった。
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