パリで現地時間12月5日に開催されたLeWebでSystrom氏は、InstagramがTwitter Cardsとの連携を停止した主な理由の1つは、ユーザーにTwitterではなく、Instagramのウェブサイトで写真を見て欲しいからだと語った。しかし、Twitterとの連携は何らかの形で継続するつもりだとも述べた。
この変更によって、Twitterでは、Instagramの写真が奇妙にトリミングされるようになり、写真を見る際のエクスペリエンスが悪化している。今回の決定は、FacebookによるTwitterへの警告だと推測する人もいる。一方で、これはInstagramがTwitterに対抗する足場を固めるために、Systrom氏が独自に起こした行動だったとする意見もある。
しかし理由が何であれ、FacebookとInstagramのチームと、Twitterとがいがみ合っている中、今回の決断だけでなく、ここ数カ月の争いの中で行われた決断はすべて、兵士を列に並ばせようとするためのものだ(この場合、兵士とはユーザーを指している)。
TwitterとFacebookはともに、かつてないほどの成長を遂げた一方で、支配的なソーシャルネットワークとなるには数年かかった。これに対して、Instagramはまだ比較的若い会社だが、モバイル端末から写真を共有するための選択ツールとして広く知られている。Facebookによる買収と連携を受けて、そのユーザーベースが急激に増加し、結果的にネットワーク効果が高まったことで、Instagramはさらに普及している。
それでもTwitterは大丈夫だと思うなら、考えを改めた方がいい。11月にTwitterは、独自の写真フィルタリングツールを開発中だと報道された。その機能がうまく導入されれば、Twitterは、モバイルで高まりつつあるInstagramの優位性を弱めることができるだろう。Instagramの自社バージョンをスタートさせようとするほかの企業は皆、この時点でたちまち失敗するだろう。一方、Systrom氏は数千万人ものユーザーで幸先の良いスタートを切っている。しかし、Twitterには数億人規模のユーザーベースがあり、芸術的な写真を共有するための独立型サービスとして、すぐに信頼を得られるだろう。Twitterが「脱Instagram化」する方法を必死で見つけようとしていると考えるだけの十分な理由はある。それも、追いつけなくなるほど遅れを取る前にそうしようとしている。
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