人気の写真共有サービスを提供するInstagramは、Facebookという新しい友人を得て以来、徐々にではあるが確実に、長年の友であるTwitterから距離を置くようになっている。
米国時間12月5日には、Instagramの写真がTwitterで適切に表示されなくなるというニュースが発表された。これはTwitterユーザーを直接Instagram.comのサイトに誘導するリンクが有利になるよう、Instagramが「Twitter Cards」との連携を停止したためだ。
InstagramのKevin Systrom氏は、パリで開催されているLeWebカンファレンスの壇上で、この変化について「これは、われわれのコンテンツへのリンクをどこに置きたいかという考えが進化したということだ」と述べている。
Instagramは、ウェブでの存在感を高めるのに一生懸命だが、それはなぜだろうか。また、Twitterは、リッチメディア広告であるTwitter Cardsを押し進め、開発者への締め付けを強めつつあるが、なぜだろうか。
答え(そしてTwitterとInstagramの間にある緊張の源)はシンプルだ。収益化である。
Instagramは、その短い歴史の中で、広告を表示したことはないし、そのソーシャルネットワークをいかなる形でも収益化したことはない。しかし、Facebookによる買収に関係なく、それが続くとは思えない。Instagramは企業であり、どこかで収益を挙げなければならない。
収益を生み出す可能性が高いのは、Systrom氏の頭の中にあるに違いない、ある種の革新的な画像ベースの広告ネットワークだが、そのためには、Instagramはページビューを管理し、ユーザーエクスペリエンスをコントロールする必要がある。Twitterが最も人気のあるサードパーティー製アプリの一部を停止させているのも、まさに同じ理由による。Twitterは、そうしたアプリでのユーザーエクスペリエンスをコントロールしていないため、広告の外観を制御できていない。
TwitterとInstagramの両方がこの結論に達したのは当然である。だからこそTwitterは、より多くの収益を挙げられるリッチメディア広告のTwitter Cardsを押し進めている。そしてInstagramがTwitter Cardsを回避して、自らのウェブサイトを優先させることにしたのも、こうした理由からである。InstagramはTwitter.com上に広告を出すことはできない。単純にそういうことだ。
筆者は、InstagramとTwitterは素晴らしい関係を維持しているというSystrom氏の言葉を信じている。しかし、どちらかが利益を上げようとすれば、両方の進む道が分かれていくことは明らかだ。それは必ずしもユーザーにとってではなく、それぞれのビジネスにとって何が最善なのかを示している。
それは個人に向けた考えではない。ただのビジネスだということだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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