プロジェクトの打ち切りという決断は、それが破滅的なプロジェクトであったとしても面白いものではない。しかし、本記事で紹介しているベストプラクティスをいくつか実行するだけで、その痛みをやわらげられるようになる。
プロジェクトや体制に引導を渡すというのは、誰にとっても嫌な役回りであるはずだ。しかし、プロジェクトの打ち切りが一番良い選択となる場合もある。では、スタッフやユーザーを動揺させることなく、あるいは金銭面での混乱をもたらすことなくプロジェクトを打ち切るにはどうすればよいのだろうか?以下は、そういった時に参考となる10の方法である。
プロジェクトや体制は、それ自体が素晴らしいアイデアに基づいていたとしても、失敗する場合がある。このため、特に新たなテクノロジや新たなシステムを採用するというのであれば、ユーザーやスタッフに対して前もって、こういった初物のプロジェクトではその試行や評価が実験的な性質を持つこと、そしてうまくいかなくなる可能性もあることを説明しておくべきだ。こういったことを行っておけば、打ち切りも可能性の1つであると全員が理解するというわけだ。
プロジェクトがとにかく思うように進まない時がある。こういった場合、感情に流されないようにしてほしい。そして「問題は解決可能なのか?」と「プロジェクトはまだ価値あるものとなっているか?」という質問を自らに問いかけてほしい。これらの質問のいずれに対しても考え込むことなく、そして感情的になることもなく、明確に「ノー」という答えを返せない限り、プロジェクトは打ち切るべきではない。
基本的にプロジェクトを打ち切るしかないという合意を全員から取り付けていたとしても、期待通りにものごとが進まなかったという失望感は常につきまとう。このため、プロジェクトを進めるにあたっては、代替策を準備しておくことが非常に重要となる。代替策があれば、プロジェクトチームは安心して仕事に打ち込めるようになるというわけだ。また、これによって取り組みの内容が変わる場合もあるというメッセージも伝わるはずだ。
プロジェクトにはほとんどと言っていいほど、そのプロジェクトに肯定的な人と否定的な人がいる。もしもあなたがプロジェクトのマネージャーなのであれば、プロジェクトに否定的な人物を洗い出すのも仕事のうちである。彼らはプロジェクトの早い時期から妨害活動を始め、そのプロジェクトを打ち切った方が良いように見せかけることもできる。こういった活動に気付いたのであれば、すぐさま対処するようにしてほしい。問題(とその対策)を白日の下にさらすことで全員に状況を理解してもらい、それに取り組むようにしてほしい。
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