多くのオンライン動画視聴者と同様に、Timbo Drayson氏は何とかして、お気に入りのバイラル動画をスマートフォンから大画面テレビへ送信したいと思っていた。だが、それは必ずしも容易なことではなかった。特に、Drayson氏のような「Google TV」の所有者にとっては。
Drayson氏は最近、YouTubeの製品マネージャーとして、GoogleのロンドンオフィスでYouTubeの新機能の開発に取り組んできた。この機能は、「Android」搭載端末からテレビへのストリーミングを従来よりも容易にするというもので、米国時間11月13日に提供を開始した。
Android搭載のスマートフォンやタブレットでYouTubeアプリをアップデートしたユーザーは、端末とテレビが同じWi-Fiネットワークで接続されている環境において、新しいボタンを1回タップするだけで端末からテレビにストリーミングできる。これは、YouTubeアプリをGoogle TVやゲーム機とペアリングするのに使われる7段階のプロセスに置き換わるものだ。
2010年にYouTubeのペアリング機能を導入後、Googleは、端末をテレビ画面にペアリングしているユーザーのほうが、YouTube動画の視聴時間が大幅に長いことに気づいた。YouTubeの視聴時間が長くなれば、もちろんGoogleの収益も増える。そこでGoogle TV部門は、ペアリングをより容易にしようと長い間取り組んできた。現在1回のタップでペアリングができるようになったことから、Googleは、AppleがApple TV向けの「AirPlay」無線技術で提供している体験に肩を並べたことになる。
部分的には、アップデート版のYouTubeアプリはAirPlayよりも進んでいる。AirPlayでは、動画再生中はYouTube内のナビゲーション操作ができない。一方、アップデート版のAndroid向けアプリでは、GoogleはユーザーにYouTube内の自由なナビゲーションを推奨している。新しいボタンにより、「後で見る」のリストに動画を追加できるほか、複数のユーザーの参加も可能だ。Googleは、パーティーなどで集まった友人たちのグループが、「後で見る」リストを共有してモバイル端末から動画を追加したり、各自がワンタップ機能を使ってテレビにペアリングしたりする状況を想定している。
今回の新機能は最初、Android搭載端末とGoogle TVに限って橋渡しを行える。だが最近は、Android版のYouTubeに追加される機能は、すぐ後から「iOS」版にも搭載されるのが一般的だ。また将来は、同じワンタップ機能によって、モバイル端末から「Xbox 360」や「PlayStation 3」のようなゲーム機へのストリーミングが可能になるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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