別の問題はAmazonからもたらされている。Amazonは特殊なAndroidを使っていて、そこではユーザーが大がかりな変更を加えない限り、人気のAndroidアプリの一部は動かない。同じOSを使っているにもかかわらず、Amazonは実のところ、開発者の興味をめぐってAndroidと争う立場にある。
Microsoftも3週間前に、タブレットやそのほかのタッチパネル対応デバイス向けの「Windows 8」と「Windows RT」を発売しており、開発者を集め始める可能性がある。
Current Analysisで消費者向けデバイスを担当するAvi Greengart氏は、「Appleがずっと前を走っている中で、Googleはこの分野では遅れをとっている。またMicrosoftは、特に『Surface』によって、Windows 8とWindows RTに注目を集め始めている」と語る。
Androidタブレット向けのアプリはいくつかあるが、GoogleがGoogle Playにそうしたアプリ専用のセクションを作れば、タブレットアプリへのサポートをさらに強化できるとアナリストは言う。AppleのApp Storeには、一番目立つところにタブレットアプリのセクションがあるのに、現在、Googleのストアにそうしたセクションはない。
しかしGoogleは、独立したセクションをストアに設置する予定はない。Yerga氏は、Google Playを複数のセクションがあるデパートとしてではなく、特別にあつらえたスーツを手に入れる場所だと考えていると語った。それと同じように、Googleはストアをセクションに分けようとしていない。
しかしそこから分かるのは、AppleがiPadアプリの数を広く宣伝している状況では、Google Playのセクション分けには、印象の点で問題があるということだ。iPadではAndroidタブレットよりも多くのことができると、消費者に対して説得力のある形で示してしまうことになる。Googleはそこに誘い込まれたくないのである。
Yerga氏は、「われわれが重視しているのは、この分野での品質を確保しようとすることだ」と述べている。同氏は、消費者の口コミと、より強固なエクスペリエンスが、ほかの人々からの関心の高まりに変わると期待している。
Googleがタブレットアプリの開発についてそれほど言及してきたわけではないことも、変える必要がある点だとアナリストは言う。
「Googleのソフトウェア開発キットでは、1つのアプリで、さまざまなスクリーンサイズに対応した複数のユーザーインターフェースを作成できることを、同社はもっと強調する必要がある」(Greengart氏)
Googleは、Nexus 7を使っている消費者に、より多くのタブレット向けアプリを勧める一方で、タブレットに最適化したアプリについて情報を流したり、開発者向けに助言や教育プログラムを提供したりすることを、より積極的に行うようになっている。Yerga氏は、個人会計アプリの「Mint」のタブレット専用バージョンの利用頻度が7倍になったことや、モバイルゲームの「Tiny Village」が、タブレットバージョンからの売り上げを35%増加させたことなど、いくつかの成功事例を指摘した。リーダーアプリの「Instapaper」は、Nexus 7の注文が可能になってから、ダウンロード数が600%増加している。
独自のアプリを必要とするタブレットがあるとしたら、それはNexus 10だ。このタブレットは、2560×1600ピクセル(300ppi)という解像度を誇り、見事な「Retina Display」を搭載するiPadも含めたタブレット市場で、視覚的に最も印象的なタブレットになっている。Googleは、それを製造したサムスンからいくらかの支援を得られるかもしれない。
iPadがビジネス向けの世界に進出した主な理由は、企業がAppleのタブレット専用アプリを構築したいという意欲を示したからだ。サムスンのような強力なパートナーは、業界に特化したアプリの開発を援助してくれる可能性があるとLopez氏は言う。
実際にサムスンは、テレビや冷蔵庫などの機器ではアプリ開発の促進に意欲を示しており、Androidタブレットの支援にその労力を向けることもあり得る。同社は既に、「GALAXY Tab」から「GALAXY Note 10.1」まで、大規模なAndroidタブレットのポートフォリオを抱えており、エコシステムの拡大から利益を得られるはずだ。
最終的にそれを始めるのはGoogleの責任だ。Googleとそのパートナーは、ハードウェアの部分ではうまくやっているが、アプリの面ではまだ進歩できることを示す必要がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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